12月10日(木)・11日(金)の両日,スラブ・ユーラシア研究センター大会議室で,センター設立60周年を記念した国際シンポジウム「歴史と記憶の間:世代を超えて考える」を開催しました。20世紀の世界史のコンテクストでセンターの活動史を再考するというのが中心的なコンセプトです。プログラムの前半は,第二次大戦後の地域研究の勃興と,それに果たした米ロックフェラー財団の役割を論じながら当センターの設立時の状況を振り返るセッション「スラブ・ユーラシア研究センターの設立とロックフェラー財団」を行い,興味深い史実を紹介しました。続いてのラウンドテーブルでは,外側継男名誉教授はじめ過去に専任として勤められた諸先輩が,それぞれの目から見たセンターの活動史を語るという,将来の世代にとっても貴重な試みが実現しました。後半の議論は20世紀史をめぐってより広く展開され,杉原千畝の活動,1950年代の日露関係,ロシアの第一次世界大戦,チェコ共和国のユダヤ人など複数の事象が,アニバーサリー(記念年)という観点に絡めて論じられました。最終セッションは内外の諸学界,諸分野の専門家によるラウンドテーブルで,日本のスラブ・ユーラシア研究の将来をめぐって様々なビジョンや提言が発せられました。内外から約110名の参加者を得て,シンポジウムは盛況裡に終了しました。
10日(木)の夕方にファカルティハウス「エンレイソウ」で開かれた記念祝賀会では,山口佳三総長,石崎宏明文部科学省研究振興局学術機関課学術研究調整官,和田春樹東京大学名誉教授,アンドレイ・ファブリーチニコフ在札幌ロシア総領事をはじめとする多くの方々から,祝辞が述べられました。祝賀会には,総長,理事,部局長をはじめとする本学の教職員,センターの共同研究員,他大学の研究所・センター関係者など,100名を超える出席者がありました。かつてセンターで一緒に働いた多くの教職員の皆さんが出席してくれたことは大変嬉しいことでした。祝賀会も終始和気あいあいとした雰囲気のなかで終えることができました。