名誉教授 木下 晋一(きのした しんいち) 氏(享年75歳)
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名誉教授 木下晋一先生が平成27年8月27日に逝去されました。先生は昭和38年3月大阪大学工学部醗酵工学科をご卒業され,その後同大学大学院工学研究科修士課程・博士課程に進学され,同43年3月に工学博士の学位を大阪大学より授与されております。博士課程修了後,すぐに博士研究員としてミネソタ大学工学部化学工学科に留学され,昭和45年7月に帰国された後,大阪大学工学部助手に採用され,同53年には同助教授に昇任されました。北海道大学には,平成3年11月に工学部合成化学工学科の教授として赴任され,13年間にわたり本学の教育と研究指導に尽力されました。平成16年3月に定年により退官されるまで,先生は,生物工学の多方面の分野で数多くの業績を挙げられましたが,微生物の生産する新規酵素の発見などを通じて,環境浄化における生物工学的アプローチに関する研究で先駆的な成果を次々と発表され,今日のこの分野の発展の基礎を築かれてこられました。 先生は国際貢献にも積極的に取り組まれ,東南アジアを中心とする国際交流プロジェクトに積極的に参画され,大阪大学生物工学国際交流センターの教授も併任され,積極的に留学生を受け入れ,生物工学に関わる研究者の人材育成にご尽力されました。学会でも長きにわたり日本生物工学会理事として重責を果たされ,我が国のバイオテクノロジーのリーダーの一人として大きな足跡を残されました。 また,学外においては,資源調査会専門委員,学術審議会専門委員,日本生物工学会理事等も歴任され,生物工学の発展に貢献されました。 北海道大学では応用生化学研究室を主宰され,その学識のみならず包容力とお人柄を以って,よき指導者として時には厳しく本学の学生のみならず多くの後進の育成に尽力されてこられました。 先生の長年にわたるご貢献に改めて感謝し,ここに謹んで心よりご冥福をお祈り申し上げます。 |