教育学研究院附属子ども発達臨床研究センターでは,研究により得られた知見を現場に還元することを目的に,毎年,子どもの特別支援教育や心理臨床に関わる現場の実践者向けに専門研修を行っています。今年度は,「WISC-Wを通した心理アセスメントの基礎を学ぶ」をテーマに,「S.E.N.S(特別支援教育士)の会北海道支部会」との共催で,特別支援教育に関わる専門の教員や支援者,また心理アセスメントを担う臨床心理士を対象に,4月23日(土)・24日(日)に研修会を行いました。講師として,岡田 智准教授(子ども発達臨床研究センター),桂野史良氏(潮見台小学校),山下公司氏(南月寒小学校),橋本 悟氏(北海道済生会西小樽病院),田邊李江さん(教育学院博士課程1年)の5名が担当しました。
発達臨床における重要なアセスメントの一つに,認知機能や知的機能のアセスメントがあります。WISC-Wなどのウェクスラー知能検査は,国内だけでなく,国際的に最も使用される検査の一つであり,教育,医療,福祉などの領域で頻繁に用いられています。最近の検査の改訂では,コンプライアンスの重要性が強調され,検査を実施,活用する側には様々なルールが課せられるようになりました。また,知能研究や精神測定研究の進展とともに,近年ではCHC理論などの知能理論との整合性も検討されるようになり,時代と共にその専門性が高まっています。検査を実施したり,教育や療育に活用したりする支援者は,検査に関する最新の情報やルールを意識し,学ぶ必要があります。本セミナーは,研究上の知見をもとに,検査を実施する実践家,心理臨床家,医療従事者が,実施から解釈までの基礎的で実践的な内容を扱いました。
今回,臨床心理士,特別支援教育士など43名の現場実践者が参加し,講義,演習,ディスカッションを通して,WISC-Wの実施面,解釈・活用面のスキルを高めることができました。また,それぞれの実践の情報交換なども盛んに行われ,より良い地域ネットワーク構築の機会も得られたと感じます。
