役員便り

理事・副学長 三上  隆

北海道大学校友会エルム設立について

理事・副学長 三上  隆 (みかみ たかし)

 平成28年6月1日に,従来の北海道大学連合同窓会を再編し,新たに「北海道大学校友会エルム」(愛称:エルム会,英語名:Hokkaido University Alumni Association)が設立されました。ここでは,その設立について報告します。

校友会エルム設立の背景と経緯

 本学の全学同窓会に位置づけられ,学部等同窓会と地区同窓会で組織された北海道大学連合同窓会は,「本学が世界水準の知のリーダーとして発展していくためには,従来にもまして社会へ向けて情報発信し,教育研究活動への参加や支援を求め,社会ニーズを的確に把握することが重要であり,そのためには,大学構成員の努力はもちろんのことであるが,同窓生などの支援協力が不可欠であり,大学と密接に連携した全学同窓会を設立することが必須である」とする理念のもと,平成16年に設立されました。
 設立10年目を迎えた平成26年6月の連合同窓会総会において,連合同窓会の今後のあり方について新たな提案がなされました。議論の末,大学を取り巻く環境が経済的にも社会的にも厳しくなる状況下において,連合同窓会の設立理念のもと,より実質的な全学同窓会組織として再構築する必要があると認識されました。その後,7回のあり方検討委員会及び3回の設立準備委員会を経て,本年6月に新たな組織として校友会エルムが設立されました。

校友会エルムの特徴と目指す方向性

1)学部同窓会や国内外の地区同窓会の垣根を超えた横断的な連携関係を構築するとともに,同窓生に加え,大学の教職員,在学生,さらには保護者などを含めた全ての関係者で構成する新たな人的ネットワーク組織です。また,本学と同窓生の相互支援体制の要としても極めて重要な組織となります。
2)本学は多くの同窓生が働く首都圏,京阪神,中京圏からは遠く離れていますが,そのハンディキャップを乗り越えて広範にわたり同窓生の結集と連携をはかり,様々な校友会活動に対応できる機動的な運営体制を構築するとともに,近い将来には一般社団法人への円滑な移行を目指します。

校友会エルムの事業活動

1)在学生の就職,教育及び研究活動の支援
2)従来個別に収集されていた学部・地区同窓会の会員情報の一体的な管理・運用
3)世代,職域等を超えた同窓生と在学生,教職員との連携・交流の強化
4)情報発信,広報活動及び財政基盤の強化
 なお,詳細は,今後事業計画という形で検討し,さらに議論を深めていくことになります。

 今後,魅力的な事業を目に見える形で展開し,北海道大学校友会エルムの存在が同窓生や在学生らに浸透することが急がれます。そして,同窓生には校友会エルムの諸活動を通して,「北海道大学の何々学部を卒業した」という意識とともに,「北海道大学を卒業した」という共通の絆を持っていただきたいと思います。
目次へ 次のページへ