名誉教授 戸塚 靖則(とつか やすのり) 氏(享年68歳)
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名誉教授 戸塚靖則先生が平成28年5月28日にご逝去されました。先生は昭和48年3月に北海道大学歯学部をご卒業され,同51年4月に同歯学部口腔外科学第一講座助手に採用されました。その後,昭和55年9月に歯学博士の学位を授与され,平成4年9月に北海道大学歯学部口腔外科学第二講座教授に昇任されました。先生は退職するまでの36年にわたり,大学院並びに学部学生の教育にあたるとともに,平成9〜11年,同15〜19年まで(3期6年),歯学研究科長・歯学部長並びに本学評議員を務められました。 研究科長・学部長在職中は歯学部改革に積極的に取り組み,平成12年には歯学部の大学院重点化を実現されました。さらに,米国オレゴンヘルスサイエンス大学,韓国全北大学校,中国ハルピン医科大学,中国医科大学口腔医学院との学術交流を積極的に推し進め,バングラデシュ・サッポロ歯科大学の創設にも多大な貢献をされました。 研究面においては下顎歯肉扁平上皮がんの顎骨への浸潤機序を解明し,同手術における下顎骨温存の選択基準を明確にされました。これらの論文はAJCC Cancer Staging Manualに記載され,世界の標準治療となりました。 学会活動では,日本口腔科学会理事長をはじめ,日本口腔外科学会,日本口蓋裂学会,日本歯科医学教育学会,日本頭頸部癌学会,日本顎関節学会など多くの学術団体において理事・評議員として学会運営に尽力され,また平成20年には第19回日本スポーツ歯科医学会総会・学術集会,同21年には第54回日本口腔外科学会総会・学術大会,同22年には第64回日本口腔科学会総会・学術集会を主管されました。 学外委員としては歯科医師国家試験・試験委員,日本学術振興会科学研究費委員会専門委員,大学基準協会大学評価委員会などを歴任され,さらに,近年は日本学術会議連携会員(平成18〜20年,同26年〜),日本学術会議会員(同20〜26年)として歯科医学並びに歯科医療の発展に主導的な役割を果たされました。 ここに謹んで心よりご冥福をお祈り申し上げます。 |