教育学部では,「社会の持続可能な発展にとって教育のもつ役割は何か?」を主題とした双方向型短期留学支援事業であるESD(Education for Sustainable Development:持続可能な発展のための教育)キャンパスアジア・パシフィックプログラムを,韓国・高麗大学校とソウル国立大学校,中国・北京師範大学,タイ・チュラロンコン大学及びロシア・サハリン国立大学と連携して,平成23年度から毎年度開催しています。
平成28年度のプログラムは,夏の事前学習により開幕し,昨年7月20日(水)〜29日(金)の10日間にわたる北大プログラムや各ホスト大学プログラムを経て,2月15日(水)の参加学生による報告会をもって全日程を終了しました。
事前学習は,アイヌ民族文化についての理解促進と英語によるディスカッションスキル向上を目指し,ESD参加学生及びHUSTEP・国際交流科目受講生を対象として,今年度から開講しました。
北大プログラムでは,昨年度にひき続き「異文化理解と多文化共生」をテーマとし,アイヌ民族について理解することを目標としました。今年度から連携を開始したサハリン国立大学のInna Korneeva准教授による講義に始まり,相互理解を深めるための地域問題を扱う課題解決型協同学習によるアクティブ・ラーニング(PAL:Place-based Active Learning)によるワークショップ,日高管内平取町でのフィールドワーク,総合討論などを行いました。終了後は北大生が5グループに分かれ,連携5大学へ短期留学し,各大学の特色ある秋季プログラムに参加しました。北大プログラムは高大連携へと発展させて,スーパーグローバルハイスクールである市立札幌開成中等教育学校との協働による講義が開講され,この交流事業は来年度以降も継続する予定です。
2月15日(水)に学術交流会館において実施した全て英語による最終報告会では,北大プログラムと各大学プログラムで学習した内容について派遣グループごとに報告がありました。派遣された各国が抱える政治的,文化的,環境的課題が紹介されるとともに,グローバルな視点に立った解決策についての提案がなされました。さらに,事前学習で交流した市立札幌開成中等教育学校から生徒34名と教員4名が参加し,生徒による自主研究の成果のプレゼンテーションも行われました。報告会には,ソウル国立大学校師範大学から14名の学部生・大学院生・教員,並びに平取町フィールドワークで講師を務めていただいた萱野志朗氏,貝澤太一氏,門別徳司氏が参加され,鋭い質問やコメントをいただくとともに,活発な議論が行われました。
本事業は海外の有力協定校と連携し,個別大学の枠組みを超えて連携大学における教員・学生の相互交流と教育的資産の共有化を実現するキャンパス環境の創成を目的としています。教室におけるESD学習ばかりではなく,日常生活の共有を通して達成される学生の国際的な人脈形成によって,世界的課題である持続可能で安心・安全な社会と平和な世界をどのように構築するかを将来にわたって考え続けていける次世代の力量形成に大きな期待が寄せられています。


