スラブ・ユーラシア研究センターの野町素己准教授が,第13回(平成28年度)日本学術振興会賞と第13回(平成28年度)日本学士院学術奨励賞を,本学で初めて同時に受賞しました。
日本学術振興会賞は,創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者に授与されるもので,今回は全国で25名が選ばれました。野町准教授は「カシュブ語を中心とするスラヴ諸語の形態統語構造ならびにその通時的・地理的変化に関する類型論的研究」により受賞となりました。受賞理由は次のとおりです。「カシュブ語はユネスコが認める消滅危機言語の一つであるが,これまでその音声学・音韻論,形態論,語彙研究に比して,形態統語論研究は進んでいなかった。野町氏は,徹底したフィールドワークで収集した現代カシュブ語の資料や通時的資料を駆使し,カシュブ語の形態統語構造の解明を飛躍的に進展させた。また,カシュブ語研究の方法論をルーマニア語,セルビア語,ハンガリー語との接触がみられるブルガリア語バナト方言の研究にも適用し,言語変化が生じる背景と変化の帰結を解明しつつあり,言語類型論,言語接触論,社会言語学などの諸側面において,スラヴ諸語研究の深化に大きく貢献した」。
日本学士院学術奨励賞は,優れた研究成果をあげ,今後の活躍が特に期待される若手研究者に対して授与されるもので,日本学術振興会賞受賞者のうち6名以内に併せて授与されます。今回は6名が選ばれました。受賞理由は次のとおりです。「野町氏はこれまで研究の乏しかった,西スラヴ語群に属するカシュブ語及び南スラヴ語群に属するバナト・ブルガリア語について,優れた語学力を駆使して,これらの地域で精力的なフィールドワークを行い,貴重な資料を収集し,特に,形態統語論,言語類型論,言語接触論や社会言語学などの側面から,共時的・通時的に,詳細かつ精密に検討した。これらの研究調査の成果は,多くの論文,著書として英語,セルビア語,ロシア語やポーランド語などで公刊されている。野町氏の業績はスラヴ語学界において国際的に高い評価を得ているのみならず,広く言語学一般にも寄与するもので,今後の発展が期待される」。
スラブ・ユーラシア研究センターでは,5月28日(日)に,野町准教授の同時受賞を祝う会をホテルマイステイズ札幌アスペンにて開催する予定です。
