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加藤紘一衆議院議員がクラーク会館で講演
      −「21世紀の日本の針路」を語る−

 法学部は,1月13日午後,衆議院議員加藤紘一氏(前自由民主党幹事長)をお招きし,「21世紀の日本の針路」と題する講演会を開催した。会場のクラーク会館講堂には,学生,教職員など400名あまりが集まり,大変な盛況だった。また,自自公政権に関する加藤氏の発言が政界で波紋を呼んだ直後だったため,マスコミの注目も集まった。
講演を聴く学生・教職員
講演を聴く学生・教職員

 加藤氏は,現在の政治状況について,痛みを伴う改革を一時停止し,景気対策最優先の政策運営を行っていると説明した。そして,財政赤字を増やし,当面の対策だけに目を奪われている現在の政権に対して,政策転換の必要性を唱えた。
 次いで,中長期的な政治課題の把握について,加藤氏は次のように分析した。戦後日本の対米依存と経済成長という政策の柱が揺らいでいる一方,新たな国家戦略を見つけることができないままこの十数年を空費した。また,政治家の役割が官僚主導の法案を円滑に通すところにあり,政党,政治家が重要な政策課題について真剣に考えてこなかった。しかし,官僚も含めて方向を見失っている今,政治の側からビジョンを示さなければならない。
 そして,加藤氏は21世紀日本の戦略として,知的資産を生み出し,世界に貢献することを説いた。氏は,自民党政調会長,幹事長時代に研究開発予算を増額した経験を紹介しながら,大学における基礎研究に国が支援を強化することの重要性を力説した。最後に北海道の未来との関連で,公共事業依存はいつか終わるときが来るので,北大を中心として新技術を新産業につなげる体制を作るべきだと主張して,北大人への熱いメッセージを送った。
 学生,教職員にとっては日本政治に関する理解を深めるとともに,21世紀の政策課題と北大との関係を考える格好の機会となった。

(法学部)

学生の質問に答える加藤代議士
学生の質問に答える加藤代議士
学生の質問に答える加藤代議士