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スラブ研究センターで
    1999年度冬期シンポジウムを開催

 1月28,29日,スラブ研究センター冬期シンポジウム「変移する境界:スラブ・ユーラシア世界の3世紀」が,センター会議室を会場に開催された。9セッションに別れて19報告が発表された。発表言語で見ると,9報告が英語,5報告がロシア語,5報告が日本語であった。報告者として参加した外国人は,センターに滞在中の5名に加えて,文部省科学研究費や学術振興会の招聘プログラムなどを利用して3人の研究者を招き,また渡航費を自己負担して2人の外国人研究者が報告者として参加してくれた。
シンポジウム風景
シンポジウム風景
シンポジウム風景
 冬期シンポジウムでは,例年のとおり,センターが進めているいくつかの共同研究や滞在外国人研究員の研究成果発表がプログラムの中心を占めた。話題は,時代で見ると18世紀から現在まで,地理的には極東国際関係からバルカン問題まで,専攻領域では言語学,文学,民族学,歴史学,政治学,経済学という拡がりがあった。よく言えば多彩で,思わぬ出会いを楽しめるが,悪く言うとまとまりに欠けるのが冬のシンポということになる。
 「学際研究」というのはセンターの「看板」なのだが,真の意味でそれを実現するのは容易でない。センターは単なる「寄合所帯」ではないという自負はあるのだが,こういうシンポを組織すると,センターの「学際性」をもう少し洗練された形で,かつわかりやすく示す工夫をしなければならないと考えさせられる。
 とにもかくにも,最高気温マイナス5度以下という二日間に110人(うち外国20人)もの研究者が,手狭なセンターの会議室に集まり,熱い議論をかわした。報告の内容もさることながら,こうした議論がセンターのシンポの売り物である。報告の内容は,セッションごとにセンター研究報告シリーズ,紀要などに発表されることになる。
 なお,来年度の夏期シンポジウムは「ロシア文化:新世紀の戸口にたって」というテーマで,7月中旬に開催予定で,その準備が進行中である。

(スラブ研究センター)