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研究成果報告会「構造規制界面の電気化学」を開催

 理学研究科化学専攻の魚崎浩平教授が領域代表を務め,平成9年度から3か年の予定で研究を推進してきた文部省科学研究費補助金特定領域研究(A)「構造規制機能界面の構築と電極反応」の最終年度の成果報告会が,全体会議と公開シンポジウムを兼ねて,道外からの参加者約100名を含む約120名の参加を得て1月31日と2月1日の両日,ホテルポールスター札幌で開催されました。
ポスター発表の様子
ポスター発表の様子
 この特定領域研究の主題である電極反応は,めっきや電池,腐食などに関連する歴史の長い研究対象ですが,固体と液体の界面で進行するため化学反応としてはきわめて複雑で,基礎的・理論的な取り扱いが難しく,これまでは現象論的な解釈が多い分野でした。しかし,現代のテクノロジーは,半導体加工技術に象徴されるようなマイクロメーターの領域から,より微細なナノメーター領域,すなわち「原子・分子レベル」での制御を求めています。この特定領域研究では,電池,センサ,エッチングなどの電気化学を含む新しいプロセスを開発する指針を得るために,理想的に規定された表面をもつ電極表面を使って,表面の分子の構造や電子状態,およびそこで進行する化学反応を高い時間分解能と空間分解能で追跡・解明することを目的とし,さらに,これらの成果を現実に近い複雑系に適用して,実際のプロセスの問題解決や新しい手法の開発をめざしてきました。
 今回行われた最終の成果報告会では,総括班・計画班・公募班合わせて99名からなる特定領域研究の班員(うち北海道大学は10名)の発表を中心として,口頭発表12件,およびポスター発表81件の発表が行われました。3年間の特定領域研究によって生み出された新しい成果の発表に関して,丸二日間にわたって活発な討論が行われました。

(理学研究科・理学部)