農学研究科で
「ふれあいサイエンスプログラム」を実施 |
農学研究科では,昨年度から実施されている日本学術振興会の「ふれあいサイエンスプログラム」のひとつとして,8月8日〜10日,応用菌学研究室において,高校生の農学部体験入学「自分でやってみる遺伝子組換え」を開催しました。
体験入学には20名が集まり,函館,苫小牧,夕張といった道内参加に加え,福岡,広島,大阪,名古屋,千葉,宇都宮といった遠方からの参加者もいたのには驚き,感謝するとともに熱意と好奇心に感心しました。「話題の遺伝子組換えを自分の手で」というのがおおかたの参加者の動機でした。
かなり難しい内容でしたが,皆がんばり,その証として,それぞれ良いレポートを残し,暑い夏となった2000年の思い出としてくれました。
実施内容は,バチルス属のデンプン分解酵素の遺伝子を大腸菌に組換えして,デンプン分解能力を導入する,というものです。そもそも大腸菌は,デンプンを分解できないので,デンプン分解酵素であるアミラーゼ遺伝子を導入すると,組換えられた大腸菌は,デンプンを分解できるようになり,これを実験しました。
技術レベルは易しいとやりがいも少ないので「少しチャレンジする」という意味でやや難しく設定しましたが高校生達は大いに期待に応えてくれました。初日のあやしかった手元も,さすが若さ!3日目には,マイクロ・リットルという,一滴の水玉よりも少ない非日常的な微量をあつかう実験をもこなしてくれ,指導する側もやりがいがありました。
内容が難しいだけに,インストラクターとして手伝ってもらった大学院生の個別指導も増え,その分,人間関係も密になり,講習プログラム以外に,「大学とは」,「学問とは」,「社会との関係は」,など大学院生と高校生の間で会話も弾んだようでした。
高校生の多くは,受験する学部の選択に迷っており,本コースを受講すると共に農学部の様子や雰囲気を見に来たようでした。
終了後のアンケートでは,「後輩にも受講を勧めたい」,といった感想が多く,主催者側としてはうれしい言葉でした。
最後に,本プログラムは,オープン・ユニバーシティにも合わせて設定しましたが,本コース参加者のほとんどが,オープン・ユニバーシティにも参加してくれたようでした。
今後,大学進学をする際の重要な情報提供になったことと期待しております。
(農学研究科・農学部)
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