農学部附属演習林で
「野外シンポジウム2000〜森をしらべる〜」を開催
農学部附属演習林では全国の大学生を対象とした体験型野外教育セミナーを8月28日(月)〜9月1日(金)の日程で中川地方演習林(中川郡中川町)と天塩地方演習林(天塩郡幌延町)で開催しました。
森林観測タワーの前で研究紹介を
聞く学生たち(天塩地方演習林)
このセミナーは,徹底した野外での現地学習と実体験により,森林の中で今,何が,どこまで解明されたのかについて,演習林のフィールドを利用して研究活動を行っている教官や大学院生の研究成果を聞きながら,野外調査を体験する実践教育プログラムです。
野外シンポジウムは,1998年度から開催しているもので,3回目の今回も募集定員を大きくうわまわる60名の参加希望が寄せられ,抽選で18の国公私立大学から選ばれた24名の学生たちが早朝から夜更けまで活気あふれるシンポジウムを行いました。今年のシンポジウムは「地球環境と生態系の機能」,「生き物たちのしたたかな暮らし」,
捕獲したネズミの体重測定
(中川地方演習林)
「豊かな森を創造する」の3つのセッションで構成され,それぞれ「川は森から生まれる」,「森はなぜ緑なのか」,「倒木が森を育てる」など17のテーマについて,森の中でパネルを使った成果発表を聞きながら,熱心に質議応答を繰り広げました。さらに各テーマに関連した調査体験では,樹冠観測用のヤグラによじ登って枝を観察したり,不馴れな腰つきで土壌調査の穴を掘るなど初めての体験に大きな歓声があがりました。このほか早朝と夕食後に用意した野鳥観察やネズミの捕獲調査など遊びごころ満載の自由参加プログラムでは,連日連夜の疲れもいとわず,全員が参加した楽しいワークショップとなりました。
参加者からは「時間はハードだったけど,教室で聞く講議よりずっとわかりやすい」,「他大学の学生と交流できてよかった」,「野外研究がこんなに楽しいものだとは思いもよらなかった」,「もっと長くやりたかった」といった感想が寄せられました。
広大な山の上で土壌の硬さを測
る学生たち(中川地方演習林)
また,演習林の雄大な景色や厳しい自然環境の中で豊かな森を創造するためのたゆみない営みについて強く感銘を受けたようでした。
このシンポジウムでの経験を糧として,若い学生たちがやってみる価値のあることを自ら見い出し,現場に即して考える能力を培うことを願いながら今年の野外シンポジウムを終えました。
(農学部附属演習林)
目次へ
広報誌のページへ
北大ホームページへ