興味津々、笑顔に包まれる北星丸!
〜練習船体験試乗会を実施して〜 |
平成12年度「大学等地域開放特別事業(大学子ども開放プラン)」の一環として,水産科学研究科・水産学部では9月9日(土),附属練習船北星丸(目黒敏美船長:892t)で体験試乗会を実施しました。募集対象は函館市及び近郊に住む小学校5・6年生で,57名もの参加者があり,午前と午後の部に分けての実施となりました。当日は,あいにくの雨模様の天気でしたが集合時間の前から期待に胸をふくらませた大勢の子どもたちが会場に詰めかけ,始まる前から盛り上がりを見せていました。受付を済ませ全員北星丸に乗り込んだあと多数の父母が見送るなか函館湾の外までの3時間ほどの試乗会に出発しました。
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航跡図について説明する亀井一等航海士 |
洋上から観光地として名高い函館山をバックに教会など西洋風の建築物が並ぶ函館の街並を眺めたり,友達同士楽しそうに語り合うなど優雅に海上を進む北星丸の世界を楽しんでいたようでした。
甲板上で少しくつろいだあと,米田助教授から「船や海のことについて楽しく体験をして学習していって下さい。」と挨拶があり,注意事項について説明を行った後,別室に移って亀井一等航海士から配布したレジュメをもとに船の簡単な説明を受けました。ブリッジでレ−ダ−や海中の測定器を見ると子どもたちは大喜びで,位置測定器を見ていた5年生の男の子は「船が動いた位置がテレビでわかるようになっているなんてかっこいい。こんなにすごい装置があるとは思わなかった。」と驚いたような顔をして話しており,エンジンル−ムを見ていた6年生の女の子は「すごく大きな音がしてびっくりした。ここで船を動かしているんだと思うと何か不思議な感じがします。」と生き生きと目を輝かせ,興奮ぎみに話していました。
このあと海水を汲み取り,プランクトンを採取。池田教授の説明のもと,ルーペを手にビーカーやシャーレに入ったプランクトンの観察を行いました。ルーペのなかに現れた世界を発見すると,あちらこちらから歓声があがり,「海の中にこんなにミジンコのようなものがいるとは思わなかった。元気にいっぱい動いているよ!!」と弾んだ声で友達同士話している子どもたちの姿があちらこちらに見受けられました。
その後,岩森助手の指導のもと,ロープワークを行い,船で実際に作業や研究でおこなわれているロープの結び方を学びました。うまくロープを結べない子どもに対しても,乗船した特設専攻科の学生の親切な指導のもと悪戦苦闘しているようでした。
最後に,質問コーナーに移り,次から次と質問が出るとともに,子どもらしいユニークな質問が飛び出し回答に苦慮する一幕も。函館に戻り,最後に目黒船長から「今日は参加ありがとう。大きくなったら是非北大に入って勉強してください。」と挨拶があり,一人づつ乗船証明書を手渡して終了となりました。
午後の部は雨足も強まり風も強まってきたので,残念ながら,函館湾外に出ることはできませんでしたが,楽しそうな子どもたちの姿から,今回の試乗体験学習会は十分満足してもらえた内容だったと思います。
今回は,新聞社によって報道されたことから,多数の問い合わせがあり,また,楽しそうな子どもたちの様子が至るところでみられたことから大成功を収めたといえます。また,子どもたちには貴重な一日を過ごしたことと思います。
水産科学研究科・水産学部では将来を担う子どもたちの豊かな感受性を育むため,様々な学習形態の一つとして積極的に地域に貢献していくとともに,来年も試乗体験会を企画し,子どもたちの期待に応えていきたいと思います。
(水産科学研究科・水産学部)
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