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「中谷宇吉郎先生」の文化人切手発行を記念して,
札幌中央郵便局から本学に記念の盾が贈呈される

 
 去る11月6日(月)に平成12年文化人切手(長岡半太郎(1865〜1950)の没後50年,中谷宇吉郎(1900〜1962)及び中村汀女(1900〜1988)の生誕100年を記念)が発行されましたが,これを記念して同日,中谷宇吉郎先生とゆかりの深い本学に札幌中央郵便局から記念の盾が贈呈されました。
記念の盾を受け取る冨田副学長
記念の盾を受け取る冨田副学長

 当日は不在の丹保総長に代り,冨田副学長が山本札幌中央郵便局長から記念の盾を受け取りました。
 ここで中谷宇吉郎先生の足跡を簡単に振り返ります。先生は明治33年7月石川県に生まれ,大正14年3月東京帝国大学理学部物理学科を卒業され,理化学研究所の寺田寅彦研究室で,主に「火花放電の研究」に携われた後,本学理学部創設準備のためヨーロッパ各地,アメリカ合衆国に留学されるなどして,昭和5年(1930)4月北海道帝国大学理学部創設と同時に助教授に就任,昭和7年3月教授に昇任されました。本学に赴任後,先生は,厳冬の十勝岳を舞台に「雪の結晶」の研究を開始し,多種多様な雪結晶形の分類を行いました。先生の研究は雪の人工的生成へと進展し,昭和11年には世界で最初に人工雪結晶の生成に成功しました。これら一連の「雪の結晶の研究」の業績に対し,帝国学士院賞を授与されております。
中谷宇吉郎先生 生誕100年を記念した文化人切手
  中谷宇吉郎先生生誕100年を
  記念した文化人切手

 また,本学低温科学研究所の創設に中心となって携わるなど,雪と氷の科学者として様々な研究に取り組まれ,数々の世界的な業績を挙げておられたさなかの昭和37年(1962)4月,ご病気のためご逝去されました。
 他方で先生は,科学を分かりやすく解説した数多くの随筆を世に送り出していますので,読まれた方も多いことと思います。
 雪と氷の美しさや不思議さに魅せられた「雪と氷の科学者中谷宇吉郎先生」がご逝去され幾星霜を経て今年もまた厳しい冬が到来しようとするこの季節,本学に先生を記念する盾が贈られたことは,何か巡り合わせというものを感じるとともに,先生が遺された「雪は天から送られた手紙である」という詩情あふれる言葉を今改めて思い起こします。
 
(総務部総務課)