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マサチューセッツ大学アマースト校
デビッド K.スコット学長に名誉学位を授与

 2月7日(水),丹保総長からアメリカ合衆国マサチューセッツ大学アマースト校 デビッド K.スコット学長に名誉学位が授与されました。
スコット学長にフードをかける前出副学長と冨田副学長
  スコット学長にフードをかける
  前出副学長と冨田副学長

 スコット学長は,1970年代,原子核衝突実験を用いて高励起における高スピン状態をどのようにつくるかを示すことによって新しい原子核構造の研究分野を,また,ベバラックでの重イオンビームを用いた低エネルギー核衝突と高エネルギー素粒子物理学との中間領域の研究を開拓されました。同氏のもう一つの開拓的な研究は,安定核領域から遠く離れたエキゾチックな原子核の研究のために相対論的重イオン衝突を利用されたことであり,20年後の今日,これらの実験技術は世界各地の加速器において不安定核を2次ビームとして作る重要な手段となっており,これらの優れた研究業績によりアメリカ物理学会フェローになられました。
 以上のような原子核分野における先駆的な研究と高等教育に関する研究について,現在までに100編以上に及ぶ研究論文を斯界に発表されるとともに,世界の様々な国において200回以上に及ぶ講義を行うなど活発な研究活動を展開され,国内外において高い評価が得ております。また,アメリカ高等教育協会指導者諮問会議の教官の役割と評価委員会委員長,アメリカ教育協議会国際教育委員会会長及び国際大学協会理事など数多くの要職を歴任され,アメリカ合衆国における高等教育政策に重要な役割を果たされております。
名誉学位を授与する丹保総長
名誉学位を授与する丹保総長

 スコット学長と本学との交流は,マサチューセッツ大学アマースト校学長に就任された1993年から始まります。同氏は,1995年,1997年及び2001年の3度に亘り本学を訪問され,大学の将来計画及びそのための人的資源等に関する両大学の協力の在り方等について密接な意見交換を行い,1997年にはアマースト校の代表団一行が本学で開催された高等教育に関する国際ワークショップに参加され,その後も両大学の間で学部共通教育等について継続的な意見交換を行っています。一方,本学からは1997年及び2000年に丹保総長一行が訪問し,1998年にはクラーク像を寄贈するなど,マサチューセッツ大学アマースト校と本学との125年の永きに亘る友好的で密接な関係と教職員及び学生等広範囲に亘る交流は21世紀に向けて益々進展することが期待されます。
 このように,スコット学長の本学の教育・研究の進展に寄与した功績に対し,このたび本学から名誉博士の学位を贈ったものです。
 
総務部国際交流課