理学部で高校生一日入学を実施

 理学部では,高校生に自然科学への関心を呼び起こすとともに,理学部で行われている教育・研究の実際を理解してもらうため,8 月2 日(金)に高校生一日入学を実施しました。
 今回で5回目になるこの催しでは,札幌市内の3 高等学校から1 〜3 年生合計79名の生徒が参加しました。入学式では学部長から「理学部が目指している教育・研究の概要」,「入学試験制度」など,歓迎の挨拶があり,続いて,各教室主任から,それぞれの学科における教育・研究の内容について説明を受けた後,希望する学科に分かれて見学や実験を行いました。
主なテーマ・内容は次のとおりでした。
「相転移と臨界現象,現代宇宙物理の現状」(理論)及び「レーザーと光科学,結晶のお話し」(実験)物理学科
「植物の病気,知られざる無脊椎動物の世界」など生物科学科(生物学分野)
「試験管の中でDNA断片を増幅してみよう」など生物科学科(高分子機能学分野)


物理学科の実験風景

「惑星の素顔と生い立ち」など地球科学科(地球惑星物質科学分野)
 最後に北海道大学広報ビデオ(受験生編)を観賞の後,高校生一日入学修了証書が学部長から参加校の代表に手渡されました。
 参加した生徒の感想文には,一様に「実験等を通じて大学での教育や研究の深さを知ることができ大変有意義であった」「こんな機会があれば参加したい」「できれば理学部に入学できるようがんばりたい」など,主催者の予想を上回る感想が数多く記されており,来年度以降も内容をさらに充実させて行きたいと考えています。
 また,この企画とは別に,日本化学会北海道支部主催の「化学系の体験入学」が盛況のうちに実施されております。(理学部)


修了証書授与

触媒化学研究センターで外部点検評価を実施

 触媒化学研究センターでは,外部点検評価を実施するにあたり,1部門研究活動評価,2組織を含めた全体評価の二段構えで実施することとし,本年 6 月に研究活動評価を行うための外部点検評価委員会を組織して, 7 月26日(金)に部門の研究活動評価を実施いたしました。
 この部門の研究活動評価は,本センター発足以来の,各部門の研究業績等の評価で,各部門教授の研究内容等のプレゼンテーション,委員によるインタビュー,研究室視察,全評価委員とセンター長・全部門教授との総合討論の形で行われました。
 外部点検評価委員会は,海外の委員 7 人・国内の委員 6 人で構成され,表面系・触媒系の 2 グループに分け,それぞれに座長を配置し,実施されました。


外部点検評価委員によるヒアリング

 評価資料として,北海道大学触媒化学研究センター概要(1996年版 4 頁),北海道大学触媒化学研究センター年報(第 7 号平成 7 年度版137頁),北海道大学触媒化学研究センター活動総覧(平成元年度から平成 7 年度までの研究活動の総覧59頁),CRC1996(英文による研究業績集ANNUAL REPORT No. 7 41頁),部門のあゆみ(平成元年から平成 8 年 6 月までの各部門の研究活動のまとめ, 6 部門合計772頁)が用意され,この資料を事前に各委員に送付し,読んでいただきました。
 こうして行われた部門の研究活動評価を基礎に,今秋には組織を含めた全体評価を実施する予定で,これらすべての評価が揃った段階で,最終評価報告書を作成し,学内外に公表することとしております。


研究室視察

 本センターは,平成元年 5 月に旧触媒研究所から「触媒化学に関する研究ならびに全国大学等との共同研究,共同利用に供する」を目的とする全国共同利用施設に改組転換され,10年の時限施設とされております。今回の研究活動評価,今後に予定されている組織を含めた全体評価の結果も踏まえて,将来計画を策定し,新施設への移行を目指しております。
 なお,この度の外部点検評価にあたり,文部省から中核的研究機関支援プログラムの「研究評価促進経費」が,本学で初めて措置されております。
 また,外部点検評価委員は次の方々です。
◎表面系委員
座長 筑波大学物理工学系 教授 山本恵彦
委員 Cambridge大学 教授 D.A.King
   California工科大学 教授 F.C.Anson
   Pittsburgh大学 教授 J.T.Yates,Jr.
   東京大学大学院理学系研究科 教授 塚田 捷
   東京工業大学生命理工学部 教授 藤平正道
◎触媒系委員
座長 東京工業大学資源化学研究所 教授 諸岡良彦
委員 Pierre et Marie Curie大学 教授 M.Che
   Catholique de Louvain大学 教授 B.Delmon
   Alcala大学 教授 P.Royo
   Munchen工科大学 教授 R.Taube
   京都大学大学院工学研究科 教授 乾 智行
   大阪大学基礎工学部 教授 村橋俊一      (触媒化学研究センター)

第15回「ふれあい七夕の夕べ」

 医学部附属病院では,8月6日(火)午後6時15分から外来診療棟1階ホールにおいて,第15回「ふれあい七夕の夕べ」を開催しました。入院生活を送る患者さんの療養生活において,少しでも励みになればと毎年開催しているこの催しは,今回も約400人が集まり,阿部病院長の挨拶で幕を開けました。
 まず第一部では,札幌市立屯田西小学校6年生有志による「よさこいソーラン」が披露されました。6月のよさこいソーラン祭りにも出場している30人の児童が,揃いの衣裳で力強く踊り,患者さんも大きな手拍子を送るなど序盤から会場内は一体となりました。


盆踊りは”北大病院名物”

 つづいて第二部では,本院職員らの太鼓,唄の伴奏で「盆踊り」が行われ,「子供盆踊り」,「北海盆唄」,「北海よされ節」など,子供からお年寄りの方まで,たくさんの患者さんが看護婦らと輪になって踊り,さらに太鼓や唄には患者さんが飛び入り参加するなど,会場内は大いに盛り上がりました。
 また今回は,昨年10月より院内の案内等患者さんのお世話をしていただいている,北大病院親切ボランティア「ポプラの会」の方々が,会場の一画に無料の「ヨーヨー釣りコーナー」を開設し,子供たちも釣り上げた(?)ヨーヨー片手に大喜びでした。
 最後は,寺澤事務部長による閉会の挨拶で,約1時間にわたる会を終了しましたが,療養上外出する機会の少ない患者さんにとっては,心ばかりの七夕を感じていただけたようです。(医学部附属病院)


子供達に大人気の「ヨーヨー釣り」

触媒化学研究センターで国際シンポジウムを開催

「次世代化学創成のための触媒科学」

 触媒化学研究センターでは,第 7 回国際シンポジウム「次世代化学創成のための触媒科学」を, 7 月24日(水),25日(木)の両日にわたり,ホテル札幌ガーデンパレスにおいて開催しました。
 このシンポジウムは,諸外国の研究者を招へいして,触媒化学の特定テーマについて討論するものであり,今回で 7 回目の開催となりました。


講演するM.Che教授

 また,このシンポジウム開催にあたり,文部省から中核的研究機関(COE)支援プログラムの「国際シンポジウム開催経費」が措置されました。
 本シンポジウムでは,触媒化学の主要な 3 分野,すなわち触媒表面化学・不均一系触媒化学・均一系触媒化学の最先端の状況について13人の招待講演(海外の大学から 7 人,国内の大学から 6 人)が行われました。
 140人に上る参加者は,世界のトップレベルの研究者を囲み,21世紀の化学において触媒化学はどのような役割を担うべきか,触媒化学は将来どのような展開の可能性をもっているか,現時点で世界のトップレベルに立っている日本の触媒科学研究の先導性をどのようにして維持・発展させていくか等について,熱心な討論を行いました。
 なお,講演者および演題は次のとおりです。(触媒化学研究センター)


熱心な討論風景

Cambridge大学 教授 D.A.King
・二相触媒反応の機構的制御:Pt{100}上でのアンモニア酸化
Pittsburgh大学 教授 J.T.Yates,Jr.
・TiO2表面での光酸化の化学−素過程に対する新しい視点
Pierre et Marie Curie大学 教授 M.Che
・固体触媒材料の調製:ノウハウから分子概念へ
California工科大学 教授 F.C.Anson
・電極上での酸素分子の4電子還元触媒の新しいデザイン戦略
Catholique de Louvain大学 教授 B.Delmon
・表面移動吸着種による触媒活性点の制御:表面化学から化学工学概念へ
Alcala大学 教授 P.Royo
・シリル架橋ジシクロペンタジェニル配位をもつ新しい有機金属錯体
Munchen工科大学 教授 R.Taube
・立体選択的ブタジエン重合における触媒反応機構と構造特性
東京大学大学院理学系研究科 教授 塚田 捷
・ナノスケール材料の理論的考察
筑波大学物理工学系 教授 山 本 恵 彦
・超音速分子ビーム法によって表面原子構造を変えうるか?
東京工業大学資源化学研究所 教授 諸岡良彦
・金属たんぱく関連遷移金属錯体の酸素化学
東京工業大学生命理工学部 教授 藤平正道
・分子集合体による人工光合成
京都大学大学院工学研究科 教授 乾 智行
・環境保全型次世代触媒開発への非線型触媒現象の応用
大阪大学基礎工学部 教授 村橋俊一
・有機合成における生物学的遷移金属触媒酸化

スラブ研究センターで国際シンポジウムを開催

 スラブ研究センター主催の夏期国際シンポジウムが 7 月24日から27日にかけて開催されました。今回のシンポジウムは“The Emerging New Regional Order in Central and Eastern Europe”というテーマで,おもに共産党体制崩壊後の中・東欧地域の国際関係を多角的に検討することを目的とし,具体的には「中欧」をめぐる歴史認識,地域協力,NATO・EUの拡大問題などが議論の対象とてして取り上げられました。
 24日午後,シンポジウムは,ハンガリー史学界の重鎮で,現在は,米国UCLAのヨーロッパ・ロシア研究センター長の職にあるI.T.ベレンド氏による基調講演ではじまり,26日夕方の総括討論までの間に,合計13の研究報告が英語で行われました。報告者は,フィンランド,ポーランド,チェコ,スロヴァキア,ハンガリー,ロシアから 7 人,日本から 6 人と,多彩な構成でした。


シンポジウム風景

 外国人研究者の招聘はおもに文部省の国際シンポジウム経費によるものでしたが,あわせて平成7年度から継続している重点領域研究「スラブ・ユーラシアの変動」(総括代表:皆川修吾・当センター教授)の全体集会を兼ねていたため,上記の報告者を含めて100名を超える内外からの参加者があり,きわめて活発な討論が報告をめぐって展開されました。


基調講演を行うベレンド氏

 さまざまな国家利害が絡むテーマを取り上げたにもかかわらず,当事国の研究者たちが,冷静な自国批判を含む学問的な水準の高い議論を展開したことは,日本人参加者たちに強い印象を与えました。基調講演を行ったベレンド氏は,総括討論で日本人研究者によるものを含めて報告と討論の水準の高さを評価し,「これまでに出席した同種のシンポジウムの中で,もっとも充実した会議のひとつであった」と賞賛してくれました。
 また,27日午前中には,おもに重点領域研究による特別企画として,ロシア大統領選挙結果をめぐる公開のパネルディスカッションが日本語で行われ,ホットな現地報告を含む最新情報が交換されました。
 24日から26日のシンポジウムの内容は,英文の報告集として年度内に出版される予定であり,また,27日のパネルディスカッションの内容は,重点領域研究の研究成果報告書シリーズの一冊として刊行される予定です。(スラブ研究センター)

水産学部でレクリエーション行事を実施

「いか釣り体験ツアー」と「いか踊り」に参加

 水産学部では,レクリエーション行事として 7 月19日に「いか釣り体験ツアー」を企画実施し,また,職員の有志の呼びかけにより, 8 月 2 日, 3 日には函館港まつり 3 万人パレード「いか踊り」に職員十数人が参加して,夏の函館を満喫しました。
 いか釣り体験ツアーは,函館沖において夕方から深夜に渡って行われ,参加した教職員のほとんどの人は初めての体験で,各人が数十杯の収穫を得ましたが,中には100杯近く釣り上げた人やその場でいかの沖漬けを作る人など,船頭さんを驚かす一幕もありました。


出港前の函館港にて

 また,いか踊りは,函館港まつり 3 万人パレードのアトラクションとして十数年前から行われており,今や函館の名物となり,いかをプリントした手作りのTシャツと豆しぼりのコスチューム,大胆なメイクで,「♪♪函館名物いか踊り・・・」のリズムにあわせて,一般市民に混じって函館市内を2日間に渡って賑やかに行進しました。(水産学部)


市民に混じってのいか踊り