一昨年の2001年末に刊行された『写真集北大125年』を編集した際、かつてキャンパスを彩った建築達は、一体、現在のキャンパスのどこに位置するのかということが編集会議で話題になった。そこで、現在のキャンパス配置図にかつての諸施設や道路を重ねながら、北大の125年(厳密には時計台のある北1条から現キャンパスに移転してからは100年だが)を振り返るという編集方針を採ることになった。幸い戦後に関しては事務局に各年の施設配置図があり、さらにそれを補完する空中写真も附属図書館の倉庫や農場などから入手することができた。戦前については、『札幌農学校一覧』、『東北帝国大学農科大学一覧』、『北海道帝国大学一覧』に添付されている配置図を基礎資料として、事務局保管の『北海道大学所属国有財産沿革』(全12冊および附録2冊)所載の各種配置図や平面図により詳細をつめていった。
当初は、キャンパスを南北に貫くメインストリートの形成過程を解き明かすことを目論んでいたが、意外にも作業を通じて、サクシュコトニ川が現在のキャンパス形成に少なからぬ影響を与えていることが見えてきた。前述の史料を何点か紹介しつつ、サクシュコトニ川の変化の様子とキャンパス形成との関わりを見ていきたい。 |