今回、紹介されることになった英語IIIは全学教育科目(必修科目)である。スキル別に開講されており、平成18年度1学期には、たまたま英語IIIのリスニングを2クラス担当した(木曜、金曜)。アンケート原票に必要な情報が記載されておらず(私の責任です)、どちらのクラスか不明とのことである。休みを翌日にひかえる金曜午後の授業が良い評価を受けることはないように思われるので、木曜日の授業だったと推察する。
以下、授業を担当するにあたって心がけたことなどを書いてみる。
シラバスを北大のホームページで検索してみたところ「詳細については授業初日に説明する」とあった(私が書いたのだが)。実際、この、「授業初日の説明及び約束ごと」というのはとても重要であると考える。その内容は、1) 全授業回数の三分の二以上の出席が単位取得の要件であること、2) この場合の「出席」は単に教室で座っているだけの状態を意味するのではなく、積極的に授業に参加していることを意味すること、3) 遅刻した場合は、静かに最前列に着席すること、4) 遅刻や欠席の回数は自身で管理すること(「あと、何回休めますか」「出席は足りていますか」などの質問には応じない)、5) 欠席した場合の不利益は自身で負うこと(「先週欠席したのでわかりません」は通用しない。欠席した授業についての情報収集には自身でつとめる)、などである。このうち、3)は意地悪や抑止効果をねらったものではない。配布プリントが最前列においてあるのと、「遅刻はしたが出席した」という、わかりやすい自己申告ができるという点で好評だ(と思う)。遅刻をした受講者は普段の数倍積極的に授業に参加するという傾向があり、これは思いがけない果実である。
何かをきっかけに憶えた受講者の名前は忘れないように心がけている。特に私の場合、「目が合った受講者にあてる」ことが多く、その場合、都合がよいからである。不自然に目を合わせない受講者についても気になって名前をおぼえてしまい、結局名前を呼んであててしまう。
一回の授業時間中に「受講者が一人で答える」チャンスをもれなく全員に与えるように心がけている。あわせて「隣近所で話し合って答える」という機会もつくるように心がけている。たまたまうまく答えられなかった受講者には時間中に再びあてる。言い換えれば「今日は一度も発表の機会がなかった」と嘆く受講者を出さないようにつとめている。
「わかりません」と答える受講者がいる。私が担当している授業に限れば、この答え方は不思議だ。そこで、「わかりません」という声が聞こえたら、「どこまでわかって、どこからわからないのか」を説明してもらうようにしている。例えば、この授業は英語のリスニングのコースなので、教科書や教員の「問い」に対する「答え」がわからなくても、「○○について話しているみたいだったけど、わかりません」、「△△、□□・・・のような単語は聞こえてきたけど、わかりません」と答えてもらう。「わかりません」とだけ答えるケースがみるみる減少し、何がわかったかを話してくれる受講者が増えたのはとても喜ばしいことであった。私にとっても勉強になるし、後の指導の参考になるのだ。この点、受講者のみなさんには感謝している。
最後に―たまたまこういう評価をいただいたのが「英語III」であったわけだが、私が心がけているのは、英語とはほとんど関係のない、至極単純なことである。書きながら「このままでいいのだろうか」と考えこんでしまった。期待してこのページを読んでくださった方には申しわけない。それでも読んでくださった方、どうもありがとうございました。これからも勉強していきます。
(平成18年度全学教育担当科目: 英語、社会教育とコミュニケーション―大学生と飲酒)