プロフェッサー・ビジット2010 テーマと講師のプロフィール

外来生物と生物多様性保全
池田 透(文学研究科教授/保全生態学・野生生物管理学)
循環型社会と低炭素社会
吉田 文和(経済学研究科教授/環境経済学)
地球温暖化と君たちの未来
深見 正仁(公共政策大学院特任教授/環境政策)
酵素は生命の素? サビの素? 環境と病気・老化を考える
有賀 早苗(農学研究院教授/分子生物学)
金星の謎に挑む
渡部 重十(理学研究院教授/地球惑星大気プラズマ科学)
美しいかけがえのない水環境をいつまでも
岡部 聡(工学研究院教授/水環境工学)
地球環境と持続的家畜生産システム
近藤 誠司(農学研究院教授/家畜生産学)
環境汚染を迎え撃つ動物たちの戦略
石塚 真由美(獣医学研究科教授/毒性学)
地球環境変化とペンギン
綿貫 豊(水産科学研究院准教授/資源生物学)
見えない光、赤外線を利用する太陽電池
三澤 弘明(電子科学研究所所長/光化学)
地球生物圏を35億年ささえる微生物と生命進化
森川 正章(地球環境科学研究院教授/環境分子微生物学)
宇宙の氷は地球の源
香内 晃(低温科学研究所長/雪氷物性・惑星科学)
保全生態学・野生生物管理学
池田 透
(いけだ とおる)
外来生物と生物多様性保全

外来生物は、生物多様性を脅かす大きな要因として世界的に対策が急務となっています。問題解決のためには、対象生物の管理手法を科学的に考えるだけではなく、人間社会の在り方を考え直すことも必要です。この問題の解決方法をいっしょに考えてみましょう。

プロフィール
文学研究科教授。専門は保全生態学、野生生物保護管理学。外来生物の生態・行動と人間社会の対応等を研究。北海道大学大学院文学研究科助手、同大学院助教授を経て、2007年から現職。(出身:北海道、北海道札幌南高校)

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環境経済学
吉田 文和
(よしだ ふみかず)
循環型社会と低炭素社会

ペットボトルや家電製品がリサイクルされアジア各国に輸出されています。日本は世界に先がけ循環型社会という制度を作っていますが、本当に環境に優しい結果を生んでいるのか。この問題を持続可能な低炭素社会の実現への課題にも触れながら、世界の視点で考えてみましょう。

プロフィール
経済学研究科教授。専門は環境経済学、産業技術論。東京都立大学経済学部卒業、京都大学大学院経済学研究科博士課程修了後、1992年から現職。中央環境審議会専門委員、環境経済・政策学会常務理事も勤める。(出身:兵庫県、東京教育大学附属駒場高校)

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環境政策
深見 正仁
(ふかみ まさひと)
地球温暖化と君たちの未来

「地球環境問題」と言われる様々な事態、特に「地球温暖化」の現状と将来見通しなどを紹介した上で、若い皆さんが未来をどう切り開いていけばいいのかについて話し合いたいと思います。

プロフィール
公共政策大学院特任教授。専門は、環境政策。京都大学法学部を卒業後、環境庁に入庁。滋賀県庁、経済企画庁、経済産業省への出向を経て、環境省地球環境局のフロン等対策推進室長兼環境保全対策課長代行を務める。2008年より現職。(出身:福岡県、福岡県立修猷館高校)

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分子生物学
有賀 早苗
(ありが さなえ)
酵素は生命の素? サビの素? 環境と病気・老化を考える

私たちを取り囲む環境の中の紫外線、放射線、発癌物質や環境ホルモン、そして生きるのに必須な酸素さえも、生物にとってはストレス。環境ストレスは癌や様々な病気を引き起こす原因になりますが、細胞は「負けないしくみ」で応答・抵抗しています。そのしくみを分子レベルで考えてみましょう。

プロフィール
農学研究院教授 専門は分子生物学、細胞生物学。真核高等生物細胞の増殖・分化・癌化の分子機構、DNA複製・転写の協調的制御機構などを研究。上智大学理工学部化学科卒業、同大学院博士前期課程修了。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了後、 スイス・チューリッヒ大学分子生物学研究所研究員、北海道大学薬学部助手などを経て、2003年より現職。(出身:東京都、雙葉高校)

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地球惑星大気プラズマ科学
渡部 重十
(わたなべ しげと)
金星の謎に挑む

2010年5月21日にH-UA17号機で金星探査機「あかつき」を打ち上げました.2010年12月に金星の周回軌道に入ります.金星と地球の違いは何か、その理由は何か.解明するべきことは何か.金星と地球を比較しながら、「あかつき」の使命と、私たちの地球について考えます。

プロフィール
理学研究院教授。専門は地球惑星大気、プラズマ物理学、地球惑星電磁圏物理学。弘前大学理学部卒業、新潟大学大学院修士修了、東北大学大学院博士課程修了後、カナダ国立科学院研究員、東北大学助教授などを経て、1998年から現職。(出身:北海道、北海道帯広三条高校)

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水環境工学
岡部 聡
(おかべ さとし)
美しいかけがえのない水環境をいつまでも

限りある水資源を浄化し、有効に循環再利用することは、我々の環境・健康を守る上でも、重要なテーマです。本講義では、環境汚染物質の分解・除去を行う最新のバイオテクノロジー、廃水からクリーンな電気エネルギーを回収する研究などを紹介していきます。

プロフィール
工学研究院教授。専門は水環境工学、環境微生物工学。宮崎大学大学院工学研究科修士課程、モンタナ州立大学院工学研究科博士過程終了後、宮崎大学工学部、北海道大学工学部助手、同大学准教授を経て2008年から現職。(出身:高知県、高知県立高知工業高校)

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家畜生産学
近藤 誠司
(こんどう せいじ)
地球環境と持続的家畜生産システム

地球環境と調和した持続的な農業生産システムが求められています。農業のなかで、私どもが直接食べることができる穀類を使わず、草で飼育できる家畜の意義が重要になってきました。環境調和型の草食家畜の生産システムについて、その消化機構や草を食べる行動をもとにお話します。

プロフィール
農学研究院教授。専門は畜牧体系学、家畜管理学、家畜行動学。北海道大学大学院農学研究科修士課程修了。酪農学園大学助手、北海道大学農学部附属農場助手、同附属牧場助教授、同農学部畜産科学科助教授などを経て、2002年より現職。1986年から1年間、カナダ・オンタリオ州・ゲルフ大学特別研究員。(出身:京都府、愛知県立旭が丘高校)

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毒性学
石塚 真由美
(いしづか まゆみ)
環境汚染を迎え撃つ動物たちの戦略

私たちの周りの環境には化学物質があふれ、ヒトに限らず、どんな動物も環境中の化学物質に常に曝されています。環境汚染の何が問題になっているのか、そして動物たちが体の中に侵入する化学物質にどのように対抗しているのか、その仕組みについて紹介します。

プロフィール
獣医学研究科教授。専門は毒性学。北海道大学獣医学部卒業、同大学大学院獣医学研究科博士課程修了後、国立環境研究所研究員、北海道大学大学院獣医学研究科助手、同大学院准教授を経て、2010年から現職。(出身:茨城県、茨城県立水戸第一高校)

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資源生物学
綿貫 豊
(わたぬき ゆたか)
地球環境変化とペンギン

海洋生態系は、気候変化や人間活動の影響を強く受けています。一方で、私たちに食料を供給してくれます。海鳥はプランクトンから大形のイカまで多種多様な海洋生物を食べる、海洋生態系の重要な高次捕食者です。地球環境変化が海鳥にどのような影響を与えるのかを紹介することで、海洋をよりよく理解していただくのが目的です。

プロフィール
北海道大学農学研究科博士課程修了。国立極地研究所に助手として勤務したのち、北海道大学農学部助教授を経て現在水産科学研究院准教授。主に北海道の海鳥繁殖地における継続研究の他、日本やオーストラリアの南極観測隊に参加してのアデリーペンギンの研究、ベーリング海や北海の孤島での研究を行ってきた。映画が趣味だが最近みていない。(出身:長野県、長野県長野高校)

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光化学
三澤 弘明
(みさわ ひろあき)
見えない光、赤外線を利用する太陽電池

赤外線は、地表で観測される太陽光の中に40%以上も含まれていますが、エネルギーが低いため、効率よく電気エネルギーに変換することができませんでした。本講義では、目に見えない赤外線を有効にエネルギー変換できる新しい太陽電池の研究について平易に解説します。

プロフィール
電子科学研究所所長。1984年筑波大学大学院にて理学博士を取得後、米国テキサス大学博士研究員、筑波大学化学系助手、新技術事業団増原極微変換プロジェクトグループリーダーを経て、1992年徳島大学工学部助教授、1994年同大工学部教授、1995年同大大学院工学研究科教授、2003年より北海道大学電子科学研究所教授となり、現在に至る。(出身:東京都、明星高校)

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環境分子微生物学
森川 正章
(もりかわ まさあき)
地球生物圏を35億年ささえる微生物と生命進化

地球上に最初の生命が生まれたのはおよそ35億年前と推定されています。以来、地球環境は比較的穏やかに保たれていますがその陰には過酷な環境に生きる微生物たちのすばらしいはたらきがあります。本講義ではミクロ生命と地球環境との関わりについて紹介します。

プロフィール
地球環境科学研究院教授。専門は環境分子微生物学で、研究室の合言葉は「微生物ってほんますごいなあ」。日清製油株式会社勤務、大阪大学大学院工学研究科助手、同助教授などを経て、2004年から現職。好きな言葉は「幸運は準備された心に訪れる〔ルイ=パスツール・フランス人微生物学者〕(出身:大阪府、府立生野高校)

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雪氷物性・惑星科学
香内 晃
(こううち あきら)
宇宙の氷は地球の源

我々にとって大切な水の起源は宇宙の氷と言われ、同時にそれは生命や惑星の起源でもあります。宇宙にはどんなところにどのような氷があり、惑星や彗星などの形成とどのようなかかわりをもっていたのだろう?本講義では暗黒星雲にあった氷微粒子が集まって太陽系の惑星がつくられていった物語をひもときます。

プロフィール
低温科学研究所長。 専門は惑星科学、雪氷学。暗黒星雲での分子進化、宇宙空間での氷や有機物等の形成、星間塵の惑星系形成(彗星、小惑星)への影響等を研究。東北大学大学院理学研究科地学専攻修士課程修了。北海道大学低温科学研究所助手、ライデン大学ホイヘンス研究所客員研究員、北海道大学低温科学研究所教授などを経て、2007年から現職。 (出身:福島県、福島県立福島高校)

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