臼尻フィールドガイド第12弾

メダカ学入門〜メダカのために臼尻まで来ちゃった〜

文責:小池(岐大M1)

 みなさんこんにちは!!11月から臼尻実験所でお世話になっている小池と申します!岐阜大学に在籍していますが、このたび研究の一環で、ここ北海道臼尻で人生初!親元を離れての憧れの一人(?)暮らしを満喫しています♪みなさん優しくて毎日と〜っても楽しいので、このままここに棲みついてしまいそうです!笑)
左が小池さん。みんなとポッキー&プリッツ。

 さて、私は今メダカの研究をしています。地方ではたくさんの愛称で昔から親しまれており、ご存知の通りクリンと丸い大きな目をした、とってもキュートな淡水魚です。最近は昔ほどたくさん見られなくなり、数年ほど前にレッドデータブックの絶滅危惧U類に指定されました。残念ながらここ北海道では棲息が確認されておらず、青森県以南の日本と中国、朝鮮半島に分布しています。


お気に入りの一枚☆前から見たメダカの交尾☆
メダカは初夏に産卵期をむかえ、雌は産卵期の間ほぼ毎日卵を産みます。一日に産む卵数の平均は30個前後ですが、多いときにはなんと90個近く産むものもいます!!!その卵の大きさは体サイズに対してとても大きく、水草につけるまで腹に卵をつけたままスイス〜イと泳いでいます。その姿がとっても可愛らし〜い♪♪そんな可愛いメダカですが、産卵期の早朝はお腹の膨れた雌をめぐり、雄たちの激しいバトルが繰り広げられます!!「メダカの学校」の歌詞のような、みんなでお遊戯しているイメージからは想像もできないくらい激しい争いをします。にらみ合いや追っかけあい、頭からぶつかったり、鰭でピンとたたいたり、、、とにかくお互い一歩も譲りませんっ!!それもこれもすべて『自分の子どもを残すため!!』と私は信じています!……が!!!せっかく産んだ卵を雄も雌も食べちゃったりするんだよね〜…あの鋭いタックルは何のため??って正直思います(^_^;)

私は主にその雄同士の戦いを観察しています。雌雄一尾ずつの時と、雌一尾に対して雄が複数いる時では産卵行動に何かしらの変化が起こるのではないかという予測のもと実験を行っています。また、メダカは鮭などの魚に見られるような“スニーキング”と呼ばれる行動を伴った産卵もします。メダカの交尾は雄が自身の臀鰭と背鰭で雌を抱き、30秒前後細かく体を震わせて雌に産卵を促し、放卵とともに放精します。メダカのスニーキングには2つのタイプがあり、ペアの雄が交尾をしている最中に別の雄が近づいて3匹が連なったかたちで交尾をするタイプと、ペアの雄が交尾を終えた後、雌がまだ卵をぶら下げている時に別の雄が近づいて数秒間交尾をするタイプです。私たちは前者を同時スニーキング、後者を産卵後スニーキングと呼んでいます。両スニーキングともペア雄でない、あとから来たもう一尾の雄も自身の子を残しているというのだから面白い☆☆メダカについてはこのほかにもまだまだ不思議がいっぱいで興味が湧くばかり!!これからもモリモリ研究していこうと思いますっ!!!

ということで、臼尻のみなさん、これからもよろしくお願いしまーすっ♪♪




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