函館港まつり名物・いか踊り

文責:田中

 北海道の夏、函館の夏、函館港まつりがやってまいりました。毎年8月初めに行われ、盛大なパレードや10,000発の花火などがある函館市の一大恒例行事のひとつです。地元の人はもとより全国各地から観光客が訪れ、非常に盛り上がるお祭りです。その港まつりのメインは、なんといっても全員参加のいか踊り。5日間の日程のうち3日間行われ、チームとして事前に登録して参加する人だけでなく、一般参加として友達や見ず知らずの人たちとアポなしで踊る人もいます。もちろん、観光客やたまたま来た人も乱入OK!むしろ”誰でもいいからみんなで踊ろうぜ”みたいな空気が流れています。そんないか踊りの模様をお伝えします。


 いか踊りとは簡単な歌詞と簡単な振り付けを繰り返し、函館市内を練り歩くお祭りです。今から27年前、当時の函館港まつりで踊られていた「手踊り」が函館にちなんでいないことが気になった方々によって作られました。独特の踊りというわけではなく、函館名物のイカをモチーフにして誰でもすぐに踊れるをモットーに作られたそうです。そのためか、歌詞と振り付けは1晩で完成したとのこと。作成者の方々の想いは見事に受け継がれ、今では老若男女問わず、毎年1万人以上が半ば自暴自棄気味に踊る盛大なものとなりました。ちなみに、その作成者の方は、現在いか踊り実行委員会委員長を務められているそうです(函館情報誌ダテパー2007年8月号より)。

 北大水産学部の学生は、そんないか踊りに例年参加している常連チームのひとつです。『北大イカ研』の御旗のもと、各講座ごとに揃いのつなぎや着ぐるみを着て踊ります。様々な衣装の中でもっとも多く見られるのが白衣。北大イカ研の代名詞とも言える必需品で、コレなしで参加したら「何しにいか踊りに来たんだ」と言われかねません。学生実験で必ず買わされていたので、普段白衣を着ない私のものは青白く光るくらいぴかぴかです。
その白衣に身を包み、いざ会場へ!!

いか踊りの正装 『白衣』



いか踊り先導車。この後に数百人の列が出来る。
踊る前からすでにできている人たち。
 会場にはすでにたくさんの参加者でいっぱいになり、道の脇にはいか踊りの音楽を流しながら走る先導車が並んでいました。会場に着いたら、まずは乾杯!いか踊りは普通のテンションでは踊れない踊りなので、気分を高めなければいけません。

 気分がよくなってきたら、次は白衣をいか踊り用に衣装替えします。マジックでそれぞれの思いの丈を白いキャンバスにぶつけます。それぞれの研究対象生物についてだったり、その人にまつわるエトセトラだったり、特に意味もなく思いついたから書いてみたものだったり。さっきまで白衣だったものが、今は世界に1着だけのオリジナルロングコートになりました(ということにしておきましょう)。

 そんなこんなしているとあたりは真っ暗に。そしてやっと私たちが踊り始める順番が回ってきました。 



徐々に暗くなり、先導車から明かりと音楽が。
さて、そろそろ出番がやってきた!

焦点が定まらないほどの酔いまわり激しい踊り。
踊りの後は疲れたけど気分爽快!


 スタートは金森倉庫・十字街近くの眼科前です。毎年一般参加で大衆にまぎれて踊っていたらしいのですが、今年は「北大水産学部」でのチーム参加でした。先導車からは明かりと音楽はもちろん、掛け声をかけてくれる人の声も届きます。歌を歌ってくれるだけでなく、『新潟に向けてエールを送るぞ!それ、がんばれがんばれ新潟!』など場を盛り上げて一体感を出してくれました。慣れているのか、すごく上手でした。おかげで、ハイテンションで踊りつづけることが出来ました。



いか踊りの正装 『白衣』
踊りの後の打ち上げで・・・あれ、永井さん?
司会者『お前ら、まだ踊れるかー?!』
参加者『おおおおおぉぉぉぉ!』

司会者『正直もうやめたいかー?!』
参加者『おおおおおぉぉぉぉ!』

司会者『最後までおどれるかー?!』
参加者『おおおおおぉぉぉぉ!』

司会者『終わった後のビールが楽しみかー?!』
参加者『おおおおおぉぉぉぉ!』

こんな会話(?)が始終繰り返されていました。その時は普通でしたが、今考えると、なんかもうなんでもよかったんだな、と思えてきました。

 いか踊りの列は十字街から函館駅前の方に進み、駅前通りの大門横町あたりまで踊り歩きました。ほんとにほとんど休みなしに踊りつづけた!正直しんどい!距離としては数百mくらいですが、約1時間、10セットくらいを踊りました。終わった後は汗だくで、白衣のマジックが滲んでいました。疲れよりも楽しさや爽快感が残るお祭りだと思いました。この記事を読んで興味を持った方はぜひ来年チャレンジしてみてください!




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