夏だ!海だ!スノーケリングだ!
スノーケリング教室&中・高生による臨海実習
文責:田中
夏と言えば海。海と言えば夏。そう、海という言葉がもっとも似合う季節がやってまいりました。当実験所の夏と言えば、毎年恒例、今年で5回目となるスノーケリング教室です。海に入り、普段ふれあうことの無い海の中の世界を観察・体験しに行こう、という企画です。また、昨年は9月末に行われた中・高生による臨海実習が8月中旬に開催されました。こちらは、海にふれあうことはもちろん、生態学の基礎を学習し、臼尻周辺の生態系を調べるということも行いました。毎年開催されていますが、年々内容が充実していってますので、今年はどんな企画になるのかどきどきです。. |
次の日の朝早く、定置網の船が帰ってきたころにどんな魚が捕れたかを見に行きました。この日はマグロが上がっていたらしく、氷水の中のマグロに興味津々。なかなか見られないチャンスにめぐり合うことができました。朝食を食べた後、スノーケリングでカイメンを採集しに行きました。カイメンは海底の岩肌にくっついているスポンジ状のもので、イソバテングという魚が中に卵を産みつける基質となります。素潜りで4〜5m潜り、手でむしり取ります。基本的に講師が取りに行きましたが、中には自ら取りに行く子もいました。今年はほんとにツワモノ揃いのようです。採った卵は持ち帰り、顕微鏡で観察しました。眼や血管がすでにできており、血が流れる様子を見ると「お〜、すげぇ!」とか「ちょっと気色悪いね・・・」と感動していました。見たものはスケッチをして、眼や血管がどんな感じだったかを記録しました。
午後に最後の実習、調査結果のまとめをしました。臼尻にはどんな生き物がいるのか、種ごとにどれくらいいるのか、どんな生き物が食う食われるの関係にあるのかなどをまとめ、発表しました。今回の調査から、魚はギンポ類が多く、無脊椎動物はムラサキインコガイとタマキビ、海藻はアカモクとアカバが多いことがわかりました。特にムラサキインコガイの個体数がすごく、臼尻沿岸(幅4km×沖出し20m)にどれくらいいるかを計算したところ1300万個体以上いて、発表と同時に教室内にどよめきが起こりました。多少難しい内容だったと思いますが、こうやって調査をすることでいろいろと推定することができることを知ってもらえればと思いました。
2週にわたって行われた実習ですがみんなに楽しく参加してもらえたようでした。本当によかったです。中には難しい内容もあり、頭を悩ましていたところもあったかもしれませんが、最後までやり遂げてくれたおかげで私たちも知らなかったことがわかりました。今回の実習を通して海と生き物に興味を持ってもらえたらとてもうれしいです。さらに、もっと勉強していろいろ調べてみたいという人が生まれたらこれほどうれしいことはありません。そんな人が将来出てくることを期待したいと思います。
定置網に掛かったマグロ。でかい! |
スノーケリング後のいい顔をパシャリ。 採ってきたイソバテング卵を顕微鏡で観察。 |