マオナガについて
文責:荻野
こんにちは、修士1年の荻野です。今回はお魚紹介として、マオナガについて紹介していきたいと思います。
7月16日に定置網に引っかかったマオナガが臼尻水産実験所に来ました。
全長約140cmのオスで、私は勝手に名前をマオちゃんと名付けて、勝手に可愛がっておりました。
始めは小さな水槽に入れられていたマオちゃんですが、お引越しをして外の水槽に移されました。
外の水槽で悠々と泳ぐマオナガですが、少し壁にぶつかると気絶してしまい横倒れになってしまいました。
定置網で採れたため顔や背鰭に傷が多く弱っていたようで、ホースを口に入れ、海水を直接鰓に流すという応急処置を施してみました。
海水を鰓に流した直後は元気に泳ぐのですが、直ぐにぐったりとしてしまい、壁に当たって気絶…ということを何回か繰り返し、
様子を見てみようということで少し自由に泳がせてみました。
しかし、どうやら思いの外弱っていたようで、数時間後には死んでしましました…。本当に残念でなりません。
今回マオナガが採れたので、少し調べてみました。
マオナガはオナガザメ科に属する種であり、このオナガザメ科には他にニタリとハチワレと言う種類がいます。
オナガザメ科の特徴は尾鰭の上葉が長いことですが、
この長い尾鰭は群れを成している魚を叩いて気絶させ捕食するときに用いられています。
マオナガは2尾以上が協力して魚に群れを集めるという報告もあります。海鳥を尾鰭で叩いて採ることもあるようです。
マオナガの全長は5.7mにもなり、オナガザメ科の中では最大種です。成熟全長はオスが2.7m、メスが3mです。
体重は400㎏、まれにそれ以上になるようです。今回採れたマオナガはまだまだ子供であったようです。
また、この種は季節回遊をしており、春に熱帯海域から水温の低い海域に移動し、夏には繁殖のため、高緯度海域に移動、
秋に熱帯海域に戻ってくるように移動を行っています。
人間に対し危害を加える種ではなく、臆病な性格であると言われています。
因みに、食べれるのか調べたところ、練り物として使われているらしく、三重県では「たれ」という干物になっているようです。
機会があればぜひ食べてみたいものです。