今月の表紙 「オオサルパ」

秋口の頃、網袋帯で多く見られたのがこの生物。
クラゲのようですが、”尾索類”、つまりホヤの仲間です。

この写真の個体のように”単独個虫”で暮らす世代と、
たくさんの個体が連なる”連鎖個虫”の世代があります。
連鎖個虫はときに40mほどにもなり、これはシロナガスクジラを押さえて、地球最長です。


眼のようにも見えるオレンジの器官は消化管。
その近くのにょろっと伸びるひも状の器官は、”芽”。

単独個虫は、”芽”として連鎖個虫を生み出し、これがまた単独個虫になって…
という具合に世代が交代していきます。

”アミダコ”という小さなタコが、オオサルパの中に入っていた!
という報告もありますので、見かけたら注意深く見てみましょう。


と、きれいにまとめてみましたが、初見ではかなりびっくりしました。なんですか!こいつ!
感触はざらざらしていて、やわらかいペットボトルくらいの硬さです。
南極の近くにも生息しているようで、オーストラリアで騒がれていた時期もあったとか。


ついつい魚に焦点が当たりがちなだけに、臼尻でもちょっとした話題になっていました。



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