アリザベスファミリー

 

こんにちは!

臼尻に来てから、昔思い描いていた女子大生像からどんどんかけ離れていってる気がする山田です。

街中から遠く離れた小さな町で、海に潜り、茂みを分け入り、モルタルとディスクレコーダーと戯れる大学生活・・・一体誰が想像できたでしょうか。

ですが、毎日楽しいので結果オーライですね!

 

 

さてさて、今回ご紹介するのは実験所で暮らす小さな家族のビッグマム、女王アリのアリザベスです!

7月上旬、ピザ窯の上をてくてく歩く大きなアリを発見したのが始まり。

捕獲して枝や葉っぱと共にボトルに入れておくと薄い黄色の小さな小さな卵が産みつけられていました。

 

ある朝研究室へ行くとなんだかみんな集まってザワザワ。

人知れず井鍋さんがネットで注文していたアリの巣観察キットが届いていたようです。

 

早速アリザベスとエッグたちをキットへ移し、巣作らないかな~とみんなでワクワクしていると、そのみんなの雰囲気を察知した宗原先生が登場。

 

「何してるの?(ニヤニヤ)」

 

「この間女王アリを発見して、アリの巣観察キットに入れて観察しようと思ってるんです」

 

「アリの巣観察キット?なんだいそれは。」

 

キットの説明をすると

 

「ほう、すごいね~!そんなものがあるのかい。このゲルは餌にもなるのか。なるほどね~、すごいね…!!」

 

と先生、このキットに興味津々。感心しながらとっても笑顔。まさに少年のような笑顔。

その笑顔をみて、やはり純粋な気持ちで小さなことにも好奇心旺盛であり続けられることが研究者として大事なことなのか、なんてしみじみ考えてました。

 

そんなこんなで毎日観察を続けていったのですが、

アリザベス、全く穴を掘らない。巣を作ろうとしない。

やっぱり働きアリがいないとダメなのか…?

 

それとは対照的に、エッグたちはみるみる成長。

最初は米粒の10分の1ほどのほんとに小さかった卵がどんどん大きくなっていきました。

2週間ほどが経ち、ほんとに大きくなったな~とボーっと見ていると

ニョ、ニョキッ

・・・ん?

ニョイニョイッ

・・・・・・なんか動いてるー!

卵がかえり幼虫になっていました。

 

さらにこの幼虫もどんどん成長し大きくなっていきます。

そしてさらに2週間ほどたつと、幼虫の周囲は繭で覆われさなぎになりました。アリは完全変体なんですね。さなぎはまさに米粒ほどの大きさです。

生命の神秘だ。すでに関心。

 

そして院試を経て(無事二人とも合格!)

楽しい楽しい納涼祭最後のプログラム、朝まで映画観賞会を終えた朝5時ごろ。

ふとアリザベスが気になり飼育キットの中を見てみると

う、生まれてる~~~!!!!!!

そこにはアリザベスと、まだ透明に近い色の生まれたてのアリが1匹。

ついにベイビー誕生です!おめでとうアリザベス!

納涼祭さいごのさいごのビックイベントととなりました。

 

アリザベス穴を掘らずに子育てに専念していたんですね。

その後は、堰を切ったようにどんどん新しいベイビーたちが生まれています。

新たなベイビーの誕生の際には、すでにいる働きアリたちがさなぎの膜を破ったり脱ぐお手伝いをしてあげています。

 

 

 

アリが生まれる瞬間を見るのなんて初めてだし、小さな卵の時からみてきているので、

がんばれ!もうちょっと!となんだかこっちまで熱くなって感動しちゃいます()

 

さらに働きアリが生まれると、穴も堀り始めました。

穴を掘ったり卵の世話をしたりするのは基本的にやっぱり働きアリの仕事なんですね。アリザベスは卵を産むのが一番の仕事!

 

9月7日現在で8匹の働きアリが確認できています。それに様々な大きさの卵やさなぎが数え切れないほど。

まだまだアリザベスファミリーのコロニーは拡大されていきそうです。

そうなってくると今のキットでは少し窮屈になってしまいそうなので、現在石膏などで新たな観察キットを作りそこへアリザベスファミリーをお引っ越しさせようか、などと考えています。

それも含め、これからのアリザベスファミリーの日常も定期的にお伝えできればと思っています。こうご期待です!

 

 

山田紗佑里