トゲウオ目 シワイカナゴ科
シワイカナゴ Hypoptychus dybowskii Steindachner, 1880
(撮影:阿部)

 浅場の海に潜ればほぼ間違いなくその大きな群れを見ることができる、臼尻で最も身近な魚のひとつ。アカモクの林の中を大群が行き来する様は壮観である。1科1属1種でトゲウオに近い仲間とされるが、その体にはトゲもウロコもない。ここ臼尻では5-6月が産卵期で、アカモクなどの海藻に産卵し、雄が卵保護する。臼尻で行われた研究から、縄張り雄は産卵に訪れる雌が少なくなると、他の場所に縄張りを移動したり、スニーカーとして繁殖に参加するようになったりと、フレキシブルに行動を変化させることなどがわかってきた。両戦術が変化するタイミングと繁殖成功との関係など、調査すべき項目はまだまだ多い。写真は求愛中の雄と,雄の縄張りを吟味する雌。上の背鰭と尻鰭が黒い個体が雄。
(調査中)



海藻に産みつけられた卵塊。茎が分岐するところへ雌が産卵し、
それを雄がつついて形を整える。




アカモクの林に群れるシワイカナゴ



臼尻では通年、群れが観察される
(撮影:山崎,12年12月)

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