撮影:坂井(09年4月)

脊索動物門 脊椎動物亜門 条鰭綱 カサゴ目 ダンゴウオ科
ホテイウオ Aptocyclus ventricosus (Pallas, 1769)
 

臼尻出現頻度:春○ 夏× 秋× 冬○


生態
 2009年の春、臼尻で初めてホテイウオの卵保護が確認されました。場所は水深2〜3mの浅瀬の岩礁域で、西側斜路のすぐ近くでした。こんな近くで卵を守っていたのに今まで発見されなかったことが不思議ですね。吸盤で岩にくっつき、つついても引っ張っても全く動こうとしません。外から確認できませんでしたが、手を突っ込んでみると卵塊がありました。自分の子どもを守るため、人が触っても動かない魚は、世界広しといえどホテイウオだけかもしれません。



                                         撮影:阿部(04年1月)
 12月ころになると、成熟した個体が産卵しに深場から浅場の岩礁帯へやってきます。この個体は水深20mほどにある魚礁についていた雄個体。きっと浅場へ向かう途中なのでしょう。



                                   撮影:阿部(03年3月)

 雄(左)と雌(右)。刺し網で漁獲されたものです。雄は雌に比べはるかに大きな吸盤を持ちます。きっと子供たち(卵)を守るのに必要なのでしょう。



撮影:阿部

概要
七福神の布袋さんに姿が似ていることからホテイウオと名がついたとされています。腹側には腹鰭が変形してできた吸盤があり、この吸盤で岩などに吸着してからだを固定します。一般にはゴッコと呼ばれ、ゴッコ鍋は道南の冬の風物詩。



                                     撮影:阿部

 ゴッコ鍋には、雌と雄の両方を用意します。雌にはたくさんの卵があり、雄は良質の身を提供してくれます。写真は雌が持っていた卵(卵巣)と、湯通しした雄の身。湯通しすることで体表のヌメリを落とします(これをしないと大変なことになります)。ゴッコの骨は軟骨のように柔らかいので、身は骨ごとぶつぶつ切って鍋に入れます。


                                     撮影:阿部

 味付けはたっぷりのコンブだしに醤油と塩。野菜も入れ、ゴッコの卵とキモを加えます。
ゴッコ鍋、極めて美味です。






                 撮影:阿部(015月)

撮影:阿部(03年1月)



臼尻top