棘皮動物門 ウニ綱 ブンブク目 ブンブクチャガマ科
オカメブンブク Echinocardium cordatum
(撮影:阿部,10年10月)
 ウニの仲間には砂の中に潜って生活するグループがあります。その名もブンブクチャガマ(名前の由来は昔話の文福茶釜なのでしょう)。写真はその中のひとつ,オカメブンブクと思われます。北海道から九州の砂底に広く分布するとされ,臼尻でも普通に見ることができます。とは言っても生きている個体を見つけるには,狙いを定めて砂を掘らないといけません。



 
 裏側にも刺がびっしり。こうした刺や管足を上手に使って砂の中を進んでいきます。よく見ると,棘皮動物のご多分に漏れず,上から見ると体が五角形なのが分ります。




 この時は,どういうわけか砂の中から這い出てきている様子でした。珍しいこともあるものだと思って写真をとっていると,全く動かないことに気がつきました。不思議に思ってよく見てみると・・・


 実は捕食者に襲われて力尽きていたのです。写真の矢印の先に,オカメブンブクに突き刺さるように伸びている一本の紐のようなものが確認できます。これが今回の捕食者,ヒモムシ(紐型動物門の仲間)です。種類は分りませんが,取り上げるとオカメブンブクに差し込んでいた吻を抜き,あっという間に砂の中に潜って行ってしまいました。海底には時々オカメブンブクの殻が転がっています。それらは,このように,ヒモムシやヒトデなどの捕食者に襲われたものなのでしょう。



臼尻Top