魚 類
1967年からの継続調査の結果, 臼尻周辺の海域から約310種の魚類が確認されています。これらのうち,この海域に周年生息している種や回遊して毎年きまって出現する種が153種,その他は今までに少数個体が採集された偶来種です。周年生息している種は,カジカ科,タウエガジ科,フサカサゴ科,アイナメ科,カレイ科,タラ科なと北方系の底生性魚類を主とする約120種,回遊種は水温が高くなる夏から秋にかけて出現するマサバ,クロマグロ,マイワシ,サンマ,ブリ,トビウオ類,ウマズラハギ,イシダイ,サヨリ,マフグなどです。主な出現種の生息域は比較的限定されており,以下のように区分されます。
・潮間帯砂礫底域: ゴマギンポ,二セキタノトサカ,ミミズハゼなど。いずれも砂礫に潜入する習性をもつ種です。
・潮下帯藻場域: ハナイトギンポ,カズナギ,ガジ,ムロランギンポ,ハコダテギンポ,インパテング,ベロ,フサカジカ,ヤギウオ,クダヤガラなど。アマモを主体とする藻場にはギスカジカ,クロソイ,アイナメ類の若魚もみられます。
シワイカナゴの求愛(上が雄)
アマモ場に群れるコマイ
・潮下帯岩礁域: エゾメバル,クロソイ,ムラソイ,オニカジカ,ギスカジカ,ケムシカジカ,アイナメ,スジアイナメ,フサギンポなど。ナガズカ,二ジカジカ,ホテイウオなどは産卵期に出現します。
潮下帯岩礁域:水深 7m
卵を守るアイナメ(雄)
・潮下帯砂礫底域: ヤセカジカ、キマダラヤセカジカ、スナガレイ,マガレイ,ババガレイ、バケヌメリなど。
砂礫底:水深 12m
卵の世話をするキマダラヤセカジカ(雌)
(卵塊は砂の中に隠してある)
・沿岸表中層水域: ウグイ,チカ,シラウオ,シワイカナゴ,ウミタナゴなど。
・沖合表中層水域: マサバ,マイワシ,クロマグロ,ブリ,ネズミザメ,ウマズラハギ,マンボウなど 。
(定置網で漁獲されたマンボウ → )
・沖合底層水域: トラザメ,ホシザメ,マダラ,キアンコウ,ホッケ,ヨコスジカジカ,ツマグロカジカ,ニジカジカ,トクビレ,イカナゴ,ナガズカ,タウエガジ,ヒラメ,ソウハチなど。水深150m以深にはソコガンギエイ,イラコアナゴ,キチジ,ガンコ,コブシカジカ,サケビクニン,アバチャン,ヨコスジクロゲンゲ,アブラガレイ,カラスガレイ,アカガレイなどが生息します。