総長ごあいさつ

フロンティア精神を持ち
高邁な大志ある国際人材を育成する

北海道大学は、遡れば我が国初の学士授与機関として1876年に創立された札幌農学校に源を発し、その後、東北帝国大学農科大学、北海道帝国大学、新制北海道大学を経て今日に至ります。140年を超える長い歴史の中で、札幌農学校の初代教頭を務めたクラーク博士が残した「高邁なる大志」、「平等と自由」、「独立心、自律心を持った個の確立」、「フィールド(現場)を重視した応用能力の醸成」の精神を昇華させた「フロンティア精神」、「国際性の涵養」、「全人教育」及び「実学の重視」という4つの方針を教育・研究の基本理念として掲げ、その具体化に努めてまいりました。

21世紀の今日は、人口増加による人間活動の拡大に伴う資源の枯渇、環境汚染、気候変動のもと食糧の持続的生産が求められています。また、情報通信技術(ICT)の急速な変革があらゆる分野のグローバル化をもたらし、社会、経済、産業構造のひずみが一瞬にして世界を駆け巡り、地球規模の問題に発展します。このような状況にあっては、世界中のあらゆる人々がグローバルな視点に立ち、持てる英知と技術を結集して、問題解決に当らなければなりません。今、大学においても、本来の役割である学問の追求と人材育成だけでなく、活動成果の社会への還元、とりわけ世界における日本の競争力の強化や科学技術イノベーションの創出などの役割が求められ、その実現のために大学の国際化などの改革が急速に進行しております。

一方、2004年に始まった国立大学の法人化以降、国から大学に交付される基盤的運営資金が漸減され、大学にも、自己収入を増やしつつ、独自の方針を持ち、個性豊かな大学を創造することが求められました。このような状況の中、北海道大学は、人文・社会科学や自然科学の各分野における強みを生かして海外の卓越した大学と伍す基幹研究大学としてその責務を果たし、世界トップレベルの研究成果を挙げるととともに、国際的な視野と品位ある自律的な個を確立した、地球規模の課題解決にリーダーシップを発揮できる国際的人材を育成することを決意しました。

このため現在、北海道大学では、その強みを生かした国際大学院の設置を進め、世界最先端の研究拠点の構築を図っております。また、明治以降に国際舞台で最も活躍した日本人の一人である、札幌農学校2期生「新渡戸稲造」の精神を継ぎ、新渡戸教育システムを導入し、海外大学との連携による国内外での授業の開講をはじめ、全学的に一層の教育の国際化を進めているところです。

この実現のためは、独自の基金を設けることが不可欠であり、札幌農学校創基130年目にあたる2006年に「北大フロンティア基金」を創設いたしました。企業、個人、同窓生及び教職員の皆様方には、私どもの意をお汲みいただき、次世代を担う人材育成のため、北大フロンティア基金にご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

北海道大学総長 名和 豊春

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