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第5回:山本 文彦 理事・副学長

常に新たな挑戦を

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 理事・副学長の山本文彦です。

 北大HPに掲載されている私の職務担当は,「評価,DX担当,最高改革責任者」とあります。DX(デジタルトランスフォーメーション)は,最近よく見聞きするようになりましたが,「DX担当って,いったい何をするの。そもそも最高改革責任者って何?」私の情報を北大HPで見つけた大学時代の友人から,こんな質問を受けました。どんな仕事をしているのか,あとで少し書きますが,この職務内容は,偶然なのか必然なのか,ある意味,私の性向に合っているように感じています。

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 その話の前に,私の略歴と北大に来るに至った経緯に触れたいと思います。

 出身地は,長野県長野市です。地元では「善光寺平」などとも呼びますが,周りを山で囲まれた盆地で育ちました。中学の頃の帰り道,夕日が山に沈むのですが,歩いて角度が変わると,夕日が沈んだり昇ったりしました。「善光寺平」に住む者にとっていたって当たり前なことを大学時代に話すと,出身高校の校歌「山また山」の歌詞とともに,いつも爆笑されたものでした。
 大学は宮城県仙台市にある東北大学に進みました。大学は青葉山にあるとはいえ,仙台は大きな平野で,住み始めた頃は「空が広い」とつくづく感じました。しかしその一方で,年に1回程度の帰省の折には,だんだんと見慣れた山が近づくことを嬉しく感じるようになりました。この気持ちは今も変わりはないのですが,実家を離れてから時間が経ち,街の風景がどんどん変わるにつれて,逆に今も変わらない山の姿に以前より強く愛着を感じるようになった気がします。

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 専門は西洋史学,中世から近世のドイツ史を研究しています。大学入学時点では,高校の教師になって長野に戻ることを考えていたのですが,勉強を続けることが楽しくなり,大学院に進むことにしました。勉強が嫌になったらやめて地元に戻ろうとずっと考えていたのですが,実際にはそのようなことはなく今に至っています。
 西洋史の中で何を具体的な研究テーマにするのか,指導教員の先生からテーマを与えられるわけではなく,学生は皆自由に設定することができました。ドイツ史にしたのはもっぱら言語的な制約でしたが,中世史を選んだのは先生の影響でした。私の先生の専門はイギリス中世史でしたが,学部の演習ではドイツ語のテキストを使っていました。ドイツ中世史というところまでは専門分野が絞れたのですが,具体的なテーマはいろいろ悩んだあげく,「神聖ローマ帝国」を選びました。選んだ理由は今もはっきりと覚えています。日本ではほとんど未開拓な分野だったからです。これは学術的判断では到底なく,私の性格によるものでした。誰も研究していない分野を開拓してみたい,新しいテーマを開拓したい。そんな無鉄砲な思いからでした。
 大学院に進学してから7年目の夏でした。朝早くまだ寝ている時に,先生から電話がありました。そもそも先生から電話が来ることなど滅多になく,とても驚いたことを記憶しています。「就職先が決まったので,研究室に来たら連絡するように」とだけの短い話で終わり,就職先がどこなのかも知らされないまま電話は切れました。そしてあろうことか,私はそのまま再び寝てしまい,昼頃にようやく研究室に行き,先生の部屋に おそるおそる電話をしました。二度寝したことで,朝の電話が夢だったのか現実だったのか,判断がつかない状況でした。これが北大に行くことになる最初の一歩でした。
 
 北大に赴任したのは1992年です。仙台から札幌へは鉄道で移動しました。途中,函館の大学にいる研究室の先輩に会い,立待岬に連れて行かれました。「山本,よく見ろ。あれが本州だ。もうお前は本州とは地続きじゃない所にいるのだ」。独身で札幌に知り合いもいない私に冷たく言い放つ先輩に「どうしてそんなことを言うのか」と食ってかかると,「函館に赴任した時に,赴任先の先生にここに連れてこられて同じことを言われた。いつか誰かに同じことをしたいと思っていたら,山本が来た」。あれから29年,立待岬には行くことはありません。

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 冒頭の職務の話に戻ると,新しいことに取り組むことがたぶん好きなのだろうと思います。改革という点では,大学院改革を現在進めており,未来社会に貢献する北大ならではの博士人材を養成することができる体制を整えたいと考えています。DXでは、データやデジタル技術を活用して、教育・研究・働き方を変革することを目指しています。特に、働き方については、従来からの働き方の常識に囚われることなく、新しい視点を持つことが重要であり、「働き方への意識」を根本的に変える必要があると考えています。
この他には,附属図書館長,文書館長,技術支援本部長も兼務しています。
 大学という組織がどのように運営されているのか。それを目の辺りに見ることができる立場ですが,その責任の大きさを日々感じています。多くの皆さんにご協力いただきながら職責を果たしたいと思います。
 引き続きご支援をよろしくお願いいたします。

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(2021年8月)

【撮影場所】
1,2枚目:古河講堂
3枚目:山本理事・副学長室
4枚目:大学文書館
5枚目:附属図書館 メディアコート

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