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平成30年(2018年)総長年頭のご挨拶

 新年明けましておめでとうございます。
 新しい年を迎え、一言ご挨拶を申し上げます。 

 昨年4月の総長就任の際、所信表明で掲げたビジョンである「世界トップ100を目指す研究・教育拠点の構築」と「北海道の地域創生の先導」につきましては、理事・副学長をはじめ教職員の皆様と協働しながら積極的に様々な活動を展開した結果、①教育改革、②研究力強化、③国際化、④地域貢献、および⑤ガバナンス改革の全ての項目において、一定の進捗を見ることができました。また、部局等の声に真摯に耳を傾けて、より民主的な運営に資するため、各部局等へお伺いし、本学の置かれている状況と今後のビジョンをご説明の上、多くの教員の皆さんと直接意見交換を行いました。その際にいただいた貴重なご意見等につきましてはしっかりと受け止め、今後、2つのビジョンに沿った新機軸事業を積極的に展開する中で提案に盛り込み、全学的な合意を得ながら実行に移していく所存です。

 昨年は、①教育改革に関し、NITOBE教育システムの充実・強化、3つの国際大学院の設置、学部英語コースの開設、数理・データサイエンス教育研究センターの設置、九州大学との共同専攻の開設などを進められました。また、②研究力強化においては、URA事業の拡充を行い、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)、JAグループ北海道、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構や株式会社北海道新聞社との包括連携など、物質・材料科学や農林水産工学に関する先端研究を進める体制が構築されました。③国際化においては、ロシアおよびインドとの世界展開力強化事業が新規採択されるなど、一定の成果を挙げることができましたし、「北海道の地域創生の先導」(④地域貢献)においても、ロバスト農林水産工学「科学技術先導研究会」が発足し、着実な進捗が見られました。

 さらに、⑤ガバナンス改革に関しては、国内外の広報活動の一元化(広報室)、研究・教育・国際・財務などの大学情報の一元管理と解析結果の経営への活用(総合IR室)、総長室体制の見直し(経営戦略室)、情報の共有化と民主的経営の推進(部局長等意見交換会、総長諮問委員会)のほか、外部資金等による新たなテニュア教員採用制度の創設等、積極的に取り組んでまいりました。また、スーパーグローバル大学等事業である「Hokkaido ユニバーサルキャンパス・イニシアチブ(HUCI)」においてもそれらの構想を着実に実施し、大学のグローバル化に向けた体制を堅固なものにすべく努めており、特に、申請の際の事前手続きにおいて、それまで学内の合意形成が必ずしも十分に図られていなかったことを見直し、新規の海外オフィス・リエゾンオフィスの開設、留学生の増加策、英語教育の普及策などについても、可能な限り全学的に検討を進められるようになりました。

 しかし、ビジョンを達成するためには、今後、更なる努力が必要であると考えております。世界に目を向けますと、AIやビッグデータなど先端技術はめまぐるしい速度で進歩し、これに伴いグローバルな政治経済が根幹から変革する兆しが見えております。また、学術の世界でも革新の速度は劇的に増してきておりますし、人材を育成する教育の世界では、むしろ基礎学問の重要性を再確認し、それを土台にして、新たな視点や発想で物事を創造する教育が標榜されています。そこでは、政治、経済、歴史、文化・文芸、語学、数学、物理、化学、生物という基礎学問を修得する、いわゆるリベラルアーツと、それらを体系的に結びつけることのできる総合的なデザイン教育が大切であり、平成30年度中には数理データサイエンスを加えた、リベラルアーツ型教養教育のアクションプランを策定したいと考えております。現在、新機軸事業の実施に向けた具体のロードマップである「HU (Hokkaido University)アクションプラン」を鋭意策定中でありますので、皆さんの合意を得た上で全学を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。

 平成30年度概算要求に関しましては、本学が打ち立てた近未来戦略150、すなわち、1)様々な課題を解決する世界トップレベルの研究を推進する、2)国際社会の発展に寄与する指導的・中核的な人材を育成する、3)地域や社会の課題解決・活性化及び新たな価値の創造に貢献する地域や社会の知の拠点を形成する、4)構成員が誇りと充実感を持って使命を遂行できる、持続的な発展を見据えた大学運営を行う、5)戦略的な広報活動を通じて、教育研究の成果を積極的に発信し、世界に存在感を示すという戦略に沿って要求を行いました。昨年末に通達された内示では、総額は前年度と同額であるものの、新規予算はほとんどなく、多くの概算要求外の予算が基盤的経費に盛り込まれており、予想されたこととは言え、特にスーパーグローバル大学等事業では大変厳しい結果となっております。そのため、本学が目指す戦略と施策を着実に実施して目標を達成するとともに、外部評価を高めていくためには、これらの限られた予算の執行の在り方についても慎重に検討し、しっかりと管理していく必要があります。

 本年4月には、新たな国際大学院が設置されますし、大学院課程の英語による授業科目を大幅に拡大するなど、今後も教育改革を進めてまいります。また、より多くの日本人学生を海外に派遣するため、文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」などの外部プログラムを積極的に活用していくことは勿論ですが、大学独自の海外派遣プログラムを充実・強化していくことも重要であると考えており、組織的に派遣学生数の拡大を図っていきます。さらに、グローバル化に対応した学生留学生宿舎の整備について、外部資金を活用した新たな取組も検討していきたいと考えており、ハード面においてもキャンパスのグローバル化を進め、研究・教育の一層の国際化を促進するための環境整備を図ります。また、高大連携の推進、入試制度の見直しなど改革の根幹を成す施策についても取り組んでまいります。

 今後に向けては、「指定国立大学法人制度」をはじめ、「世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)」や「卓越大学院」を最優先課題に掲げ採択を目指してまいりますが、研究力強化の面では、創成研究機構を中心に、クロスアポイントメント制度を最大限に活用しながら、本学に優位性のある研究をさらに強化することにより、異分野融合研究,新たな学問領域の創成を図り、将来有望な若手研究者の育成を加速していきます。さらに、昨年採択された次世代アントレプレナー育成事業(EDGE-NEXT)を推進するとともに、「組織は人なり」を体現すべく、教員の配置計画を新たに策定し、教員の異分野交流を促す教員人事の実現を図っていきたいと考えております。

 「北海道の地域創生の先導」を念頭に置いた地域連携・社会貢献においては、まずは、「フードバレー構想」を着実に進めることが重要であり、北海道をはじめ道内の自治体や高等教育機関とも一層の連携を図りつつ、若者の地域定着を促進するという、新たな形での地域貢献を推進してまいります。

 本年4月から、第3期中期目標期間の3年目がスタートします。北海道大学にとって大きな飛躍と同時に、今まで取り組んできた様々な挑戦や改革の成果を軌道に乗せる年といえます。そして、北海道の地に根ざした基幹総合大学として、「独立心と自律心を持った、豊かな北海道大学」の実現に向け、皆さんとともに歩んでまいります。

 2018年が、教職員、学生、ならびに同窓生の皆様にとって、実り多い年であることを願い、年頭の挨拶とさせていただきます。

 


 平成30年1月4日

北海道大学総長 名和 豊春

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