○国立大学法人北海道大学資金運用管理規程

平成30年11月14日

海大達第156号

第1章 資金運用管理に当たっての基本方針

(運用の目的)

第1条 この規程は、国立大学法人北海道大学会計規則(平成16年海大達第117号)第34条の規定に基づき、国立大学法人北海道大学(以下「本学」という。)の資金を安全かつ効率的に運用することにより、本学の中長期的な財政基盤の強化を図るとともに将来の教育研究の発展に資することを目的とする。

(運用の目標)

第2条 資金の運用に当たっては、将来にわたって本学の財政の健全性を維持するに足る収益性を確保することを目標とする。

(運用する資金の範囲)

第3条 本学が運用する資金の範囲は、国立大学法人法(平成15年法第112号。以下「法」という。)第35条において準用する独立行政法人通則法(平成11年法律第103号。以下「準用通則法」という。)第47条に規定する業務上の余裕金とする。ただし、法第34条の3に規定する運用に当たっては、同条第2項に規定する業務上の余裕金とする。

(基本原則)

第4条 第1条に規定する運用の目的を達成するため、次に掲げるところにより資金を運用するものとする。

(1) 安全性及び流動性を十分に確保した上で、運用の対象とする金融商品の選択、運用の期間の設定及び運用する資金の配分等を勘案し、効率的な資金の運用に努めること。

(2) 収支予定に基づき、支払準備に支障を来さないよう必要となる資金を十分に確保すること。

(3) 利用する金融機関の経営の健全性に留意すること。

第2章 運用管理体制等

(資金運用統括責任者)

第5条 本学に、本学における資金の運用について統括する者として、資金運用統括責任者(以下「統括責任者」という。)を置き、総長が指名する理事をもって充てる。

2 統括責任者は、次条に規定する資金運用管理委員会の議を経て、資金の運用に関する計画(第9条において「資金運用計画」という。)を作成するとともに、資金の運用に係る業務全般を行う。

(資金運用管理委員会)

第6条 本学に、資金の運用を適切に管理するため、資金運用管理委員会(以下「委員会」という。)を置く。

2 委員会は、次の各号に掲げる委員をもって組織する。

(1) 統括責任者

(2) 総長が指名する理事(前号に掲げる者を除く。)

(3) 財務部長

(4) 社会共創部長

(5) 本学の役員及び職員以外の者で金融商品に関する知識を有する者 2名以上

(6) その他総長が必要と認めた者

3 前項に規定する委員会の組織は、次に掲げる要件を満たさなければならない。

(1) 業務として2年以上の資金の運用に係る実務経験を有する者が1名以上含まれていること。

(2) 前項第5号の委員に本学の同窓会(北海道大学校友会エルムの基礎同窓会である同窓会に限る。)の会員又は本学に対して寄附を行った者が1名以上含まれていること。

4 第2項第5号及び第6号の委員は、統括責任者の推薦に基づき、総長が委嘱する。

5 第2項第5号及び第6号の委員の任期は2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(委員長)

第7条 委員会に委員長を置き、前条第2項第1号の委員をもって充てる。

2 委員長は、委員会を招集し、その議長となる。

3 委員長に事故があるときは、あらかじめ委員長の指名した委員がその職務を代行する。

(議事)

第8条 委員会は、委員の3分の2以上が出席しなければ議事を開くことができない。

2 委員会の議事は、出席委員の過半数をもって決するものとする。

3 委員会が必要と認めたときは、委員会に委員以外の者の出席を求め、説明又は意見を聴くことができる。

4 第6条第2項第5号及び第6号の委員は、利害関係のある事項については、その議事に加わることができない。

(審議事項)

第9条 委員会は、次に掲げる事項を審議する。

(1) 当該年度における資金運用計画に関する事項

(2) 第11条第1項に規定する報告に関する事項

(3) その他資金の運用に関し必要な事項

(開催回数)

第10条 委員会は、四半期(各年度の4月から6月まで、7月から9月まで、10月から12月まで及び1月から3月までの各期間をいう。次条及び第22条において同じ。)に1回開催するものとする。ただし、緊急を要する場合その他特に委員長が必要と認める場合は、臨時に委員会を開催することができる。

(運用報告)

第11条 統括責任者は、四半期に一度、次に掲げる事項を委員会に報告する。

(1) 期末時点における各金融商品の一覧表

(2) 運用資産構成比率

(3) 各金融商品別の運用の実績

(4) リスク状況(取引先の金融機関、国債等以外の債券その他の金融商品の格付等)

(5) その他統括責任者が必要と認めたもの

2 統括責任者は、前項に規定する報告を行った後、速やかに総長に報告するものとする。

3 総長は、前項に規定する報告を受けたときは、必要に応じて経営協議会及び役員会に報告するものとする。ただし、総長が本学の運営に重大な影響を及ぼすおそれがあると認めるときは、同項に規定する報告を受けた事項について、経営協議会及び役員会において審議するものとする。

第3章 運用資産構成

(基本ポートフォリオ)

第12条 統括責任者は、第1条に規定する運用の目的を達成するため、中長期的な観点から運用対象資産の構成割合(次項において「基本ポートフォリオ」という。)を策定し、現実の資産の構成割合について、毎年度検証するものとする。

2 統括責任者は、必要に応じて基本ポートフォリオの見直しを行うことにより、基本ポートフォリオが常に適切なものとなるように努めるものとする。

第4章 自家運用の方法

(自家運用の方法)

第13条 自家運用(本学が資金の運用を自ら行うことをいう。以下この条及び第15条において同じ。)の方法は、次に掲げるものとする。

(1) 準用通則法第47条各号に掲げる方法

(2) 貯金又は外貨建の預金

(3) 資産の流動化に関する法律(平成10年法律第105号)に規定する特定社債券(当該有価証券の長期債格付又は当該有価証券の発行体格付が、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。以下「金融商品取引法」という。)第66条の27の規定に基づき内閣総理大臣の登録を受けた信用格付業者(以下「信用格付業者」という。)のうち少なくとも1社以上において「A(信用力が高く、信用リスクが低いと判断される債務に対する格付をいう。以下この項及び第16条において同じ。)」に相当する格付以上の格付を取得しており、いずれの信用格付業者においても「BB(投機的要素を持ち、相当の信用リスクがあると判断される債務に対する格付をいう。以下この項において同じ。)」に相当する格付以下の格付がないものに限る。)の取得

(4) 金融商品取引法第2条第1項第5号に規定する社債券のうち、無担保の社債券であって、かつ、株式、為替その他の金融商品のデリバティブが組み込まれたものでないもの(準用通則法第47条第1号に該当するものを除き、当該有価証券の長期債格付又は当該有価証券の発行体格付が、信用格付業者のうち少なくとも1社以上において「A」に相当する格付以上の格付を取得しており、いずれの信用格付業者においても「BB」に相当する格付以下の格付がないものに限る。)の取得

(5) 金融商品取引法第2条第1項第15号に規定する約束手形(当該有価証券の短期債格付又は当該有価証券の発行体格付が、いずれの信用格付業者においても「a―3(短期債務履行の確実性は認められるが、環境の悪化による影響を受けやすいと判断される債務に対する格付をいう。)」に相当する格付以下の格付がないものに限る。)の取得

(6) 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和26年法律第198号)に規定する投資信託又は外国投資信託の受益証券(第15条において「投資信託等の受益証券」という。)であって、当該投資信託又は外国投資信託の対象が準用通則法第47条第1号に掲げる有価証券並びにこの項の第2号から前号まで、次号及び第8号に掲げるものの取得

(7) 投資信託及び投資法人に関する法律に規定する投資証券、新投資口予約権証券若しくは投資法人債券又は外国投資証券(当該有価証券の長期債格付又は当該有価証券の発行体格付が、信用格付業者のうち少なくとも1社以上において「A」に相当する格付以上の格付を取得しており、いずれの信用格付業者においても「BB」に相当する格付以下の格付がないものに限る。)の取得

(8) 金融商品取引法第2条第1項第17号に規定する外国又は外国の者の発行する証券又は証書で同項第1号から第5号まで、第12号及び第15号に掲げる証券又は証書の性質を有するものであって、かつ、外貨建のもの(当該有価証券の長期債格付又は当該有価証券を発行する発行体格付が、信用格付業者のうち少なくとも1社以上において「AA(信用力が極めて高く、信用リスクが極めて低いと判断される債務に対する格付をいう。)」に相当する格付以上の格付を取得しており、いずれの信用格付業者においても「BB」相当以下の格付がないものに限る。)の取得

2 自家運用は、次の各号に掲げる資金の区分に応じ、当該各号に定める方法により行うものとする。

(1) 準用通則法第47条に規定する業務上の余裕金(次号に掲げるものを除く。) 前項第1号に掲げる方法

(2) 法第34条の3第2項に規定する業務上の余裕金 前項各号に掲げる方法

(集中投資の回避)

第14条 国債、地方債及び特別の法律により法人の発行する債券(金融商品取引法第2条第1項第3号に掲げる債券をいう。)(以下この条及び第16条においてこれらを「国債等」という。)以外の債券を取得するときは、同一の発行体が発行した国債等以外の債券への投資額は、運用対象資産の総額(運用する期間が1年未満で運用している資産を除く。)の1割を超えないものとする。

(投資信託等の受益証券の取得時における留意事項)

第15条 投資信託等の受益証券(第13条第1項第8号に規定する外国又は外国の者の発行する証券又は証書であって、投資信託等の受益証券と同様の性質を有するものを含む。)により自家運用を行う場合には、そのリスクの所在を明確に把握するとともに、慎重に対応しなければならない。

(取得債券等格下げ時の対応)

第16条 統括責任者は、国債等以外の債券等が、取得後にいずれの信用格付業者による格付においても「A」に相当する格付未満の格付となった場合は、国債等以外の債券等を発行する発行体の信用リスクその他のリスクに十分留意した上で、速やかに委員会に報告するとともに、必要に応じて当該国債等以外の債券等の売却その他必要な措置を講ずるものとする。

2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する場合において、当該国債等以外の債券等を保有し続けようとするときの取り扱いについては、別に定める。

(デリバティブ取引の留意事項)

第17条 デリバティブ取引(金融商品取引法第2条第20項に規定するデリバティブ取引をいう。)の取扱いについては、債券、外国為替その他の原資産における価格変動に伴うリスクを一時的に回避し、又は原資産を一時的に代替することを目的として行うものに限る。

第5章 委託運用の方法

(委託運用の方法)

第18条 委託運用(本学が信託会社(信託業法(平成16年法律第154号)第3条又は第53条第1項の免許を受けたものに限る。)又は信託業務を営む金融機関への金銭信託を行うことをいう。以下この条、次条及び第21条において同じ。)の方法は、法第34条の3第2項第3号に掲げる方法(運用方法を特定するものに限る。)とする。

2 本学は、委託運用を行うときは、第13条第1項各号に掲げる方法の範囲内で運用方法を特定するものとする。

(受託機関の選定)

第19条 本学は、委託運用を実施する場合は、委員会の議を経て、統括責任者が委託運用の金額、目標利回りその他委託運用の実施に必要な事項を定めた上で、金融機関からの提案を踏まえて運用を委託する金融機関(以下「受託機関」という。)を選定するものとする。

(受託者責任)

第20条 本学は、受託機関に対して、本学の資金の運用及び管理に当たり、専門家としての慎重な注意をもって、専ら委託者たる本学の利益に対してのみ忠実に最善の努力を果たす義務を負うことを求めるものとする。

(ガイドラインの提示と遵守)

第21条 本学は、この規程及び委託運用に係る運用対象資産に関する事項その他必要な事項を定めたガイドラインを受託機関に提示しなければならない。

2 本学は、受託機関に前項のガイドラインを遵守させなければならない。

(運用状況の報告)

第22条 本学は、受託機関に対し四半期ごとに運用状況に関する報告を求めるものとする。

第6章 その他必要な事項

(運用の評価)

第23条 統括責任者は、資金の運用状況について、中長期的な観点で分析し、評価するものとする。

2 前項の評価については、定量評価及び定性評価を適切に組み合わせることにより、総合的に行うものとする。

(倫理規程)

第24条 統括責任者及び資金の運用を担当する職員の職務に係る倫理の保持に資するために必要な措置については、国立大学法人北海道大学役職員倫理規程(平成16年海大達第103号)に定めるところによる。

(規程の改正)

第25条 この規程の改正を行うときは、委員会の承認を得なければならない。

(事務)

第26条 資金の運用及び管理に関する事務は、財務部資産運用管理課において処理する。

(雑則)

第27条 この規程に定めるもののほか、資金の運用及び管理に関し必要な事項(委員会の運営に関する事項を除く。)は、別に定める。

2 第6条から第10条までに定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員会が別に定める。

1 この規程は、平成30年11月14日から施行する。

2 この規程の施行後、最初に委嘱される第6条第2項第5号及び第6号の委員の任期は、同条第5項本文の規定にかかわらず、平成32年3月31日までとする。

(令和4年4月1日海大達第19号)

この規程は、令和4年4月1日から施行する。

国立大学法人北海道大学資金運用管理規程

平成30年11月14日 海大達第156号

(令和4年4月1日施行)

体系情報
第8編
沿革情報
平成30年11月14日 海大達第156号
令和4年4月1日 海大達第19号