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Science Lecture 2020×北大こども研究所「敵を知ろう!~新型コロナウイルス〜」が開催されました

8月13日(木)、夏休み中の小中高生を対象に、Science Lecture 2020と北大こども研究所のコラボイベントがオンラインにて開催されました。Science Lecture 2020及び北大こども研究所は、いずれも本学が定期的に実施しているサイエンスイベントです。当日は、全国各地から約280名の子どもたちが参加し、新型コロナウイルスについての知識を深めました。

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本学遺伝子病制御研究所から中継を行いました

はじめに、本イベントを企画した免疫学の専門家 高岡晃教教授(遺伝子病制御研究所)が挨拶し、「新型コロナウイルスは解明されていない部分も多々あるため、わからないことだらけで不安を感じている方も多いかと思います。ウイルスや免疫について学ぶことで、心配な気持ちを少しでも取り除いてもらえたら嬉しいです」と述べました。

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挨拶する高岡教授

その後、ウイルスについて研究している山岸潤也准教授(人獣共通感染症リサーチセンター)が、「コロナウイルスとはなにものか?」と題して、新型コロナウイルスがコウモリ由来のウイルスだと考えられていることや、ウイルスが体内に侵入し細胞を蝕んでいくメカニズムなどについて説明しました。山岸准教授は、「新型コロナウイルスは今後、強毒化していくのか、それとも弱毒化していくのか。まだ誰にもわからない問いですが、科学を学ぶうえで、そうした問いを考えることはとても大切です。ウイルスは人や動物の細胞内で長く生き延びるために進化します。強毒化した場合と弱毒化した場合、どちらがウイルスにとって生き残りやすいかを考えて、自分なりの答えを導き出してみてください」と話しました。

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クイズを交えて説明する山岸准教授

続いて、「ウイルスに対するからだを守るしくみ」と題し、高岡教授が、免疫細胞がどのようにしてウイルスをはじめとする病原体に立ち向かっていくのかを、戦隊ものに例えながらレクチャーしました。「免疫細胞であるB細胞は抗体をつくって病原体をやっつけますが、新型コロナウイルスにおいてもB細胞がウイルスを排除するのに有効な抗体をつくり出していることが明らかになってきました。さらに、一般にB細胞には一度侵入した病原体を記憶する機能が備わっており、同じウイルスに再び侵入された場合は、よりすばやく抗体をつくって撃退することができるのです。おそらく新型コロナウイルスについても同様のことが予想されます」。こうした免疫機能に関する研究は、治療薬やワクチンへの応用も期待されています。

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新型コロナウイルスは、「スパイクタンパク質」というウイルス表面にある王冠のような形をした部分を「鍵」として、のどや肺などの細胞の「ACE2タンパク質」と呼ばれる「鍵穴」から細胞内に侵入し、増殖する。B細胞が産生する抗体の中にはスパイクタンパク質をブロックすることで鍵部分をふさぎ、新型コロナウイルスの侵入を防いでいるものもあることがわかってきた(図:高岡教授 発表資料より)

子どもたちから質問を受けた後、感染症専門医の忽那賢志(くつなさとし)氏(国立国際医療研究センター 国際感染症センター 国際感染症対策室 医長、国際診療部 副部長(兼任))は、「コロナウイルスにどのように立ち向かうか? 現状と今後」と題して、新型コロナウイルスの特徴や感染状況、症状や検査方法などについて説明しました。「無症状の時期にも感染する可能性があることが特徴で、発症前の人がうつしてしまうケースが多いです。小児は感染しにくく重症化もしにくいですが、感染すると大人と同じように周りの人にうつしてしまいます。マスクの着用や手洗い、三密を避けることを改めて意識しましょう」と呼びかけました。忽那氏は診療中のため、事前に収録したビデオでのレクチャーとなりました。

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専門家や有識者が寄稿する「Yahoo!ニュース 個人コーナー」にも多くの記事を投稿している忽那氏

最後に、高岡教授が「ウイルスを体内に入れないことに加え、免疫機能が低下しないように、よく食べよく眠ることも大切です。また、レクチャーのなかで少しでも興味を持ったところがあれば、今度は自分で調べて勉強してみてください」とメッセージを送り、イベントは幕を閉じました。レクチャーの合間の質問コーナーでは、多くの子どもたちから鋭い質問が寄せられるなど、活発な会となりました。

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子どもたちからの質問に答える高岡教授と山岸准教授

(総務企画部広報課 学術国際広報担当 菊池優)


本イベントのアーカイブはこちらからもご覧いただけます。

 

Science Lecture 2020×北大こども研究所「敵を知ろう!~新型コロナウイルス~」
日時:2020年8月13日 (木) 13:30 - 14:55
主催:北海道大学 遺伝子病制御研究所、北海道大学 創成研究機構、読売新聞北海道支社
共催:北海道大学 人獣共通感染症リサーチセンター、北海道大学 電子科学研究所
協力:北海道大学 総務企画部広報課
   北海道大学 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
   北海道大学 情報基盤センター
連携:TERRACE-科学とアートが出会う場所-
後援:秋山記念生命科学振興財団、日本免疫学会
   日本インターフェロン・サイトカイン学会、札幌市教育委員会

※Science Lectureは北海道大学 創成研究機構と読売新聞北海道支社が締結する協定のもとに開催しています。

 

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【関連リンク】

北海道大学 遺伝子病制御研究所HP

北海道大学 人獣共通感染症リサーチセンターHP