litterae_vol.68
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―寳金メッセージだと感じました。ぜひ、く、各地域・企業などが自分たちでこだわりを持って産業ビジョンを考え、実践することが必要です。また、投資がハコモノで終わってしまうのではなく、利益が出て再投資をして雇用が生まれる、つまり、地域で経済的に回る仕組みを作らないと北海道の活性化にはつながりません。大学も、もっと自立する必要があり、その意味で道経連が公表しているビジョンは非常に強い北海道民や産業界の方々に広く読んでいただきたいです。最後に本学の学生、教職員へのメッセージをお願いします。昔の話になりますが、1972年に稚内地方で大雪害が発生し、送電鉄塔が着雪で倒れたことがありました。当時は大問題となり、北大の低温科学研究所のご協力も得て難着雪リングというものを開発しました。これで雪害事故が激減しましたので、当時の低温科学研究所の皆さんには本当に感謝しています。なお、この技術は今でも全国の電力会社で採用されています。私が若者に話をする時にホンダの創業者である本田宗一郎さんの格言を紹介しています。「若さとは困難に立ち向かう勇気、枠にとらわれずに新しい価値を生む知恵である」と。もうひとつは、「仕事の成果=取り組み方×能力×情熱」という掛け算です。取り組み方とは積極性と明るさのことです。このバランスが非常に重要で、ぜひ学生諸君にも意識して行動してほしいと思います。最後にもうひとつ「グロリアス・ディスコンテント(栄光ある不満)」。建設的で前向きな不満を言いなさいという言葉です。自分ならこうやりますと声にして動くことが重要です。    はとてもいい人ばかりだけど、やっぱりおとなしいと言われたことがありました。北大にも当てはまると思いますので、明るく前向きな雰囲気を作り出すために「ウィニング・カルチャー」を提唱しています。大きなプロジェクトや賞の獲得を、教職員や学生が「北大の実力なら当然」と思えるものに変えていく必要があります。本日はありがとうございました。先代の教授から、北海道人明るく前向きな雰囲気を作り出すために「ウィニング・カルチャー」を提唱しています。寳金真弓寳金19  Litterae Populi Vol.68HOUKIN Kiyohiro1954年、北海道出身。北海道大学医学部卒業。博士(医学)(北海道大学)。1979年北海道大学医学部附属病院等に勤務。米国カリフォルニア大学デービス校客員研究員等を経て、2000年北海道大学大学院医学研究科助教授、2001年札幌医科大学医学部教授、2010年北海道大学大学院医学研究科教授に就任。2013年北海道大学病院長・北海道大学副理事、2017年北海道大学病院長・北海道大学副学長を歴任し、2020年10月から現職。北海道大学総長寳金 清博

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