litterae_vol.68
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北海道大学国際連携機構副機Litterae Populi Vol.68  24構長の川野辺さんから北海道大学アンバサダーの話を知らされたとき、最初は驚きと緊張でいっぱいでした。皆さんも「アンバサダー」という言葉には強い印象を持たれていると思いますが、そこには大きな名誉と責任があるからです。私は、北海道大学で学び、札幌市の居心地の良いフレンドリーな環境で生活できたことは、とても幸運だったと思います。その思いから、北大やカントー大学(CTU)、さらにはベトナムのために、私ができることを常に行っています。学生として北大で過ごした数年間は、私に多くの温かい思い出を残してくれました。教授陣は、私が最良の方法で勉強や研究ができるよう、常に関心を持って支援してくれました。また、農学部の仲間や留学生センター、そして札幌にいる友人たちは、いつも「札幌サムイケドモみんなココロアタタカイデス!!」と言って支えてくれました。私が所属していた農学部は、北大の中でも有名で歴史のある分野です。私は幸運にも稲の遺伝に関する専門的な知識だけでなく、生活や仕事の仕方を学ぶことができました。そのおかげで今の私があります。学業を終えてベトナムに戻ってからは、いつも北大、札幌市、北海道、そして日本のことを思い出します。日本に関する記事やテレビ番組を見たりすると、私の心は落ち着きます。私は、日本とベトナムをより深く理解してもらうために最善を尽くしたいと思っています。私は、CTUでの本業のほかに、過去15年間、カントー市のベトナム・日本友好協会の会長、ベトナム・日本同窓会(VAJA)の副会長を務めてきました。CTUでは、機会があれば協力を呼びかけ、日本政府やベトナム政府などの奨学金制度を利用して、多くの学生やスタッフを日本に留学させてきました。CTUの国際協力担当の副学長になってからは、その役割はさらに強くなり、日本からCTUへの訪問団の数は著しく増加し、毎年何百人もの訪問者があります。それを受けて、私も毎年、北大と日本に多く1.カントー大学のメイン棟2.カントー大学中央図書館3. カントー市の夜景4. 指導教授の佐野芳雄先生と(1999年)の代表団を送り、さらなる相互協力の機会を探っています。1993年に北大で学んでいたベトナム人留学生は私だけでしたが、2018年に北大を訪れた際に、北大で学ぶベトナム人学生の数が急速に増えていると聞き、とても嬉しく思いました。CTUだけでも、近年、北大で学ぶベトナム人学生の数は著しく増加しています。世界の他の地域と同様に、新型コロナウイルスによってCTUもその教育、会議などの活動をオンラインに移行しました。教え方や仕事の仕方が突然変わったので最初はかなり大変でしたが、オンライン化によって、地理的に離れた場所にいる人たちが画面上で隣り合わせになることが可能になりました。実際、北大は9つのパートナー大学の1つであるJICA-CTUプロジェクトの枠組みに入っており、北大の教員がCTUで農学、水産学、環境学の修士課程の学生にオンラインで指導されています。北大の学生や卒業生の皆さんには、北大のために最善を尽くして勉強し、貢献していただきたいと思います。1234From  レ・ヴィエット・ズン氏(ベトナム、カントー大学副学長、2019年7月北海道大学アンバサダー就任)北海道大学から世界へ今号では、ベトナムにおいて北海道大学アンバサダーとして活躍するレ・ヴィエット・ズン氏と、マレーシアにおいて北海道大学アンバサダーとして活躍するチャールズ・サンタナラジュ・ヴァイラッパン氏からの寄稿を紹介します。VitVietnam//MlMalaysiai

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