litterae_vol.69
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北海道におけるワイン生産の歴史は、札幌農学校開校の1876年に設立された開拓使葡萄酒醸造所から始まった。この歴史は戦前に一度途絶えるが、十勝の池田町で再スタートし、1960年代に十勝ワインが生まれた。それから約60年、富良野や函館、七飯、小■など道内各地に数多くのワイナリーが作られ、北海道のワイン産業は大きく発展してきた。その一方で、北海道の厳しい冬は生産者達を常に悩ませ、収穫量の伸び悩みなど、現在でも課題は多い。ブドウの栽培から醸造、マーケティングに至るまでの過程で改善すべき点はまだまだ残されている。こうした状況を踏まえ、北海道ではワイン生産などに携わる方を対象として、2015年から「北海道ワイン塾」、その後名称を変更し「北海道ワインアカデミー」(2016年〜)という研修事業を開催しており、本学の研究者らが講師として参加してきた。この事業が、ワインの生産地と地域の大学が連携し、教育や研究を通してワイン産業の発展を目指す1つのきっかけになったのだ。Litterae Populi Vol.69  12旧昆虫学及養蚕学教室(1901年建設)。オリジナルの建設部位を可能な限り残した改修工事を行い、北海道ワイン教育研究センター棟として生まれ変わる。地域とともに歩み、ワインを核とした幅広い産業の発展、地域経済の活性化を目指す。北海道のワインを巡る多面的な教育研究を行う拠点として2022年4月に新設された北海道ワイン教育研究センター。北海道ワイン教育研究センター北海道を真のワイン銘醸地へ

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