litterae_vol.69
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―志済にすさまじかったです。それでも私が帰国する頃には、メンバーがあれこれと聞いてくれたりして、自分がつくってきたプロジェクトがやっと形になってきました。粘り強くコミュニケーションをとることの重要性など、本当に勉強になりました。2019年に現在の中外製薬の執行役員に転職されましたね。新しい業種に挑戦したいという思いで、日本企業をターゲットに探していました。そのような中、当時、中外製薬の社長を務めていた小坂達朗さんから、ITやDX(デジタルトランスフォーメーション)を全社的に進めるための役員としてのオファーをいただきました。もともと小坂さんとは、東京同窓会を通じたお知り合いでした。北大生としてのつながりは大きいですね。同じ場所で勉強するなど、バックグラウンドの共通性があることは、非常に大きな意義をもちます。現在はどのようなお仕事をされているのですか。略、DX戦略を実践しています。何のためにデジタル化をするのか、どういうところを目指すのかというビジョンを作り、実践するための組織を構築しています。一から自分でデザインしてつくることや、社員が賛同し具体化するプロジェクトを立ち上げてくれるような仕掛けづくりがとても面白いです。改革は官民を問わず大変です。大学でも教育、研究、事務的な業務のデジタル化を進めることによって、研究力、教育力、社会貢献力がそれぞれ向上する状態を実現させる必要があります。一方で、そのような改革をスタートさせる段階では、抵抗や現状維持の声があがる傾向も強いですね。と比べて遅れていました。一方で、千人もの研究者が創薬の自社開発に携わっているので、デジタルや顧客の立場になってIT戦組織活動をデジタル化する中外製薬も当初は同業他社フェローをさせていただいた経験同窓会を通じて新渡戸カレッジのが大きいですね。勉強にもなり、ありがたいです。同窓生のつながりから訪れた転機を活かし、新天地で躍動寳金志済寳金志済寳金志済総長が訊くLitterae Populi Vol.69  18SHISAI Satoko55歳過ぎから転職を考え、1963年、北海道出身。北海道大学法学部卒業。1986年に日本IBM株式会社入社。公共サービス事業部第二営業部長などを経て、2008年に米国本社IBM Corp出向。帰国後は執行役員を務め、2019年に中外製薬株式会社執行役員に転職。2022年4月から現職。中外製薬株式会社 上席執行役員/デジタルトランスフォーメーションユニット長志済 聡子

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