litterae_vol.69
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私は、北海道大学国際連携機25  Litterae Populi Vol.69構のご厚意を受けて2019年にアンバサダーに就任し、アンバサダーという身分に相応しい活動をしなければならないと責任を感じました。北大を台湾の若者たちに紹介して留学意欲を高めさせ、同時に、台湾に滞在する北大関係者へのサポートに力を入れていこうと考えていました。しかしながら、新型コロナウイルス流行のため、アンバサダーとしての活動はあまりできていません。コロナ禍前の2019年6月にアンバサダーの集いがあり、北大国際関係部署のアレンジで各国のアンバサダーと自国の留学生との食事会が開催されました。そこで留学生たちが抱えている問題を知り、北海道大学台湾同窓会の幹部と相談して解決方法を考えることができました。このアンバサダーと留学生との交流イベントは非常に評価できると思います。私の大学では、教職員や学生は入構後すぐに体温を測って記録するように要求され、健康の自己管理を勧められています。また、学外者は大学の正門に設置された体温測定機を通過し、体温が正常な者だけが入構できるようになっています。このような状況ですが、機会があればできる限り台湾の大学で北大のプロモーションをし、北大への留学願望のある学生に対してアドバイスをしたいと考えています。私は、台湾で天気が最も良いといわれる台中市で生活しています。私は、人生の経験として北国で生活してみたいという願望があり、親や友人の心配を無視して札幌市にある北大への留学を決めました。その理由の1つが気候です。四季があまり変わらず、いつも緑がある台中市は、四季がはっきりしている札幌市に比べると、ある意味で面白くなくて楽しみが少ないと感じていました。留学する前は雪を見たことがなかったので、初めて雪を見たときは夢かと思いました。台中市は台湾西部の真ん中にあり、天気が良く市民の生活が悠々自適なため、昔から文化城、あるいは小京都といった褒め言葉があります。私の母校である中興大学(※)は、台中1.中興大学法政学院(社管大楼)2.惠蓀林場(提供元:国立中興大学校史館)3. 台中柳川景観歩道(提供元:台湾交通部観光局)4. 台中水■中央公園(提供元:台湾交通部観光局)(撮影:王永琦、提供元:国立中興大学法政学院)(※)台湾の大学改革で2000年に法商学院が独立して現在の台北大学になりました。そして台中市にある中興大学本部は法政学院を増設し、法律学系が設立されました。市でただ1つの国立大学です。中興大学と北大の関係が非常に深いことは、1989年に北大に留学した時は全く知りませんでした。中興大学の前身は日本統治時代、1919年に設立した台湾総督府農林専門学校(1944年に台湾総督府台中農林専門学校に改名)です。そして、その4つの附属林場の中、一番大きな惠蓀林場は北海道帝国大学の演習林でした。綺麗な風景で、今では中興大学やその付属惠蓀林場も人気の観光スポットになっています。特に惠蓀林場は、現在宿泊施設やコーヒーショップなどを対外的に開放・営業し、空気と景色の良さで台湾人に大人気です。どんな時代でも若者の大志が社会進歩の原動力ですので、クラーク博士の“Boys‚ be ambitious.”はいつまでも北海道大学のメンバーに必要な言葉だと思っています。1234  リン・スーフォン 氏(台湾、台湾国立中央警察大学教授、北海道大学台湾同窓会長、2019年6月北海道大学アンバサダー就任)アンバサダー・パートナー通信

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