litterae_vol.69
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ミッションである「フードバレー本拠点は、本学の工学研究院、農学研究院、水産科学研究院を中心として、2018年に設置された。「正式名称をそらで言えるようになるまで時間がかかるんですよ。我々はロバスト拠点と呼んでいます」と、石井一英拠点代表は笑いながら教えてくれた。「『ロバストってなに?』とよく言われます。簡単に説明すると、外的な影響が加わっても倒れにくい、壊れにくいなど、強靭なイメージですね。外的な影響を予想しながら、倒れないようにしていく、そういう性質をもつものと捉えています」。私たちをとりまく外的な影響は計り知れない。地球環境が激変する一方、世界人口は増加をたどり、限られた地球資源の中、安定した食料生産と分配をどう行うのか。ロバストという言葉は、環境や気候の変化など外乱の影響による変化を防ぐ内的な強靭性を意味する。ロバスト拠点は、本学の最重要構想」に基づき、農林水産業に生産工学の概念を取り入れることで、食のバリューチェーン(※1)ション機能を担うプラットフォーの強靭化(ロバスト化)を目的としている。「北海道では食に関する一次産業が中心です。また、北大は他の大学に比べてフィールド研究がとても盛んです。これらの特徴を活かし、フィールド研究を通して食のバリューチェーンをロバスト化する、という狙いです。さらにそれをSociety5.で、データ駆動を取り入れながら実現していこうとしています。ゆくゆくは健康、医療、医薬などのバリューチェーンにもつながるよう、SDGsも踏まえながら活動しています」と、石井拠点代表は語る。ロバスト拠点は、インキュベームとして様々な組織と連携し、共同研究を推進している。連携先は学内組織にとどまらず、現在は民間企業94社、研究機関・行政機関等39組織、総勢428名がロバスト会員として登録されている。ロバスト拠点の事務局は、研究シーズと現場ニーズのマッチング0(※2)に沿った形プラットフォームとしての役割Litterae Populi Vol.69  06inherit 1 −共創力− ロバスト農林水産工学国際連携研究教育拠点

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