―寳金言っていますが、経営陣が失敗しることが重要です。他業種、競合他社を含めてスマート農業の広域化を進める必要がありますが、それだけではだめで、ヨーロッパの事例などを参考に世界とも組んで進めるような体制が求められます。振り返れば当然、失敗もたくさんしてきたのではないかと。失敗は山ほどしています、クボタは(笑)。仕事には「落下傘型」と「地下水脈型」があります。農業機械は「地下水脈型」であり、鋳物から始まり、鋳物のパイプ、エンジンのブロック、エンジン、農業機械、建設機械というふうに広がります。反対に、「それでは発達しない。落下傘みたいに降りろ」と言ってコンピューター事業やゴルフ場経営を始めて失敗したこともありましたね。「下を見て降りろ!!」と思っていました。若手社員には「失敗してもええで、それが糧になるよ」とあえててはいけません。私もそう思います。すごく難しいですが、過大なリスクを引き受けてはいけないのです。ゴルフの世界でも「ネバー・アップ・ネバー・イン」と言います。よく理解している人が見守り、とんでもない方向に進まないようにしてあげないといけません。最後に、今後、クボタとしてどの分野に注力していくのでしょうか。らの分野を軸にスマート・オートノマス化、資源循環化、そして脱炭素化を進め、クボタならではの差別化された製品・ソリューションの提供を目指していきます。の分野にあり、食料、水、空気の分野は、フィールド系サイエンスとして昔から取り組んでいるので、クボタでの本学卒業生の活躍は、学生にとって大変励みになります。今日、非常に感銘を受けたのはグローバリゼーションの考え方で す。世界の中で自社の位置付けを考えることは非常に重要であり、これは大学にも共通します。本日はありがとうございました。食料・水・環境です。これ実は、北大の強みはそれらクボタでの本学卒業生の活躍は、学生にとって大変励みになります。寳金木股寳金木股寳金19 Litterae Populi Vol.70HOUKIN Kiyohiro1954年、北海道出身。北海道大学医学部卒業。医学博士。1979年北海道大学医学部附属病院等に勤務。米国カリフォルニア大学デービス校客員研究員等を経て、2000年北海道大学大学院医学研究科助教授、2001年札幌医科大学医学部教授、2010年北海道大学大学院医学研究科教授に就任。2013年北海道大学病院長・北海道大学副理事、2017年北海道大学病院長・北海道大学副学長を歴任し、2020年10月から現職。北海道大学総長寳金 清博
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