フィールド科学センター森林圏ス高木教授に天塩研究林の魅力を伺うと、「地理的には不利なところにありますが、様々な人が利用してくれているのはありがたいですね。それから、木材生産は頑張っている方かな」と、控えめに話す。天塩研究林が所属する北方生物圏行っている。また、良い木材は「銘テーションでは、2年ほど前に最新の高性能林業機械を導入し、木材生産の効率が格段に向上したという。従来のチェーンソーによる伐採方法と組み合わせて作業を木市」で競り売りするなど、木の販売の仕方も工夫していて、収益は機械導入前のおよそ2倍になっているそうだ。伐採作業は木材が乾燥している冬に行われる。ここで活躍しているのは、地元で雇用された森林技能職員達。特に、立木を切り倒す「伐倒」には優れた能力が要求される。その職員の一人である小池義信さんは、素早く正確な方向に伐倒する技術に長けていて、高木教授をはじめ教職員たちの信頼も厚い。小池さんは、「重機に乗っての作業、苗木の植え付け、笹刈りなど、ここでの仕事は非常に多岐にわたっています。先生方や学生達の研究を手伝うこともあり、いろいろと勉強させてもらいました。また、冬の伐倒作業は大変ですが、やりがいがありますね。今は機械があるので少し楽になりましたが、以前はチェーンソーで1日に20本くらい木を切っていました」と、天塩研究林での仕事を振り返る。業界全体として担い手不足が課題となっているなか、若手の森林技能職員も他の職員達に支えられながら奮闘している。高校の先生の紹介で天塩研究林に就職し、2年目の山本裕梨佳さんは、「伐倒作業を仕事として行うことになり、はじめは体力面で不安があり匠の技と最新の機械でLitterae Populi Vol.70 083月で定年を迎える小池さん。熟練の技術を後輩達に引き継いでいる。チェーンソーで枝払作業をしている山本さん。confront 1 −知のフィールド− 北方生物圏フィールド科学センター 天塩研究林
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