litterae_vol.71
10/32

ションに組み入れられた。ここに北海道大学函館キャンパスから車で約20分。サケマス類12種19系統(取材時)を教育や研究のために飼育する、七飯淡水実験所がある。本学水産学部の前身である函館高等水産学校の養魚実習場に始まり、その後、水産学部の施設となり、2001年、フィールド系の研究施設を統合した北方生物圏フィールド科学センターの設置に伴い、同センターの水圏ステーは室内飼育室も付する研究棟や20基のコンクリートの外池があり、室内外に多数の飼育水槽がある。七飯淡水実験所は、本学内外の研究・教育に広く門戸を開く。少数精鋭で魚の研究をしていると聞くと、研究一色の難しい印象を持つかもしれないが、社会や地域に根差した実験所を目指しているという。本学学生や他大学学生への実習・技術指導だけではなく、小中学生向けの生物実験や高校生向けのプログラムも実施している。水産学の使命として魚食文化の普及も掲げ、現在は道南地域の民間北海道大学が有する2つの淡水実験施設のうちの一つ、七飯淡水実験所。1940年に設立され、80年余りの歴史を持つ同実験所は、時代のニーズに応じて柔軟に役割を果たしてきた。近年では、学生実習や研究者のサポートに力を注ぐだけでなく、「成果魚」の活用にも乗り出す。社会のニーズに応える実験所を目指して北方生物圏フィールド科学センター七飯淡水実験所高い技術と、開かれた環境Litterae Populi Vol.71  10七飯淡水実験所内の飼育施設。実験所全体で12種19系統ものサケマス類を維持する。

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る