litterae_vol.71
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h1234恩師であり、現在、北大の理事・Litterae Populi Vol.71  24副学長の横田篤教授からアンバサダーの依頼を受けたとき、すぐに頭に浮かんだのはウィリアム・スミス・クラーク博士の「Boys, be ambitious」という言葉でした。そして、母校がTimes Higher Education Impact Rankings 2022で世界のトップ10にランクインしたことを知ったときには、とても嬉しく思いました。私は1997年から、北大農学研究科(当時)の田原哲士教授の素晴らしいご指導の下、修士課程、博士課程、博士研究員として研究する機会を得ることができました。札幌での生活の中には、研究活動以外にも、忘れられない特別な思い出がたくさんあります。特に、2005年に開催されたバングラデシュ・ソサイエティ札幌(BSS)設立10周年の記念式典で、中村睦男総長(当時)、中村研一理事・副学長(当時)とお会いしたことは強く印象に残っています。北海道大学は、世界の中でもインパクトのある研究と高度な教育を行っている大学の一つです。長年過ごして感じた北大の強みは、学生や研究者に文化交流、課外活動、人的ネットワーク形成の多くの機会を提供していること、そして、イノベーションと国際性に富んでいることです。私は北大で、知識や研究スキルだけでなく、自身の研究を切り拓いていく、クラーク博士が唱えた"lofty ambition"(高邁なる大志)とその精神を得ることができました。私にとって北大は、教育と研究の卓越性に加え、国際的に活躍できる若手人材を育成する最高の大学です。私の夢、考え方、そしてマインドを変えてくれた北大に感謝しています。今後は、アンバサダーとして、バングラデシュにいる北大の卒業生と団結し、様々な活動を通して、北大の精神と光を母国のみならず世界に広めたいと思います。そのために、卒業生、在学生、未来の学生たちの間で意見を交換し、北大をより良くするためのアイデアを共有できるようなプラットフォームの構築や、卒業生による留学生へのメンター制度などを考えています。現在、私はバングラデシュの首都で最も人口密度の高いダッカに住んでい1.農学院英語特別プログラム1期生の卒業式(後列右から3人目)2.バングラデシュの北大同窓会設立メンバー3. 雪まつりでBSSが制作したバングラデシュ語殉教者の記念碑雪像の前に立つ息子のターシン・イスラム・サキフくん4. 世界で一番長いビーチ、コックスバザールでの家族写真ます。札幌の整然とした平和な街とは異なりますが、ダッカの人々の勤勉なところは、札幌とよく似ていると感じます。バングラデシュは、北海道のように生物多様性に富んでいて、農業、養殖業などに適した豊かな土地に恵まれていますし、いくつかの先住民族もいます。また、世界最大規模のマングローブ林のあるスンダルバンス国立公園や、世界一長い海岸線で知られるコックスバザールも有名です。私と私の家族は、北海道を第二の故郷だと思っています。雪まつり、夏祭り、雪遊び、おいしい食べ物、友情、研究室でのすばらしい毎日などの素敵な思い出は生涯忘れることはないでしょう。妻も北大で博士号を取得し、息子は保育園や小学校で楽しい時間を過ごしました。札幌の多くの方々に感謝しています。北大ファミリーの一員として、この絆を誇りに思い、これからも大切にしたいと思っています。母校のために何かできることがあれば、喜んで協力します。バングラデシュにも是非お越しください。From  Md トファザル イスラム(Md Tofazzal Islam) 氏バンガバンドゥ・シェイク・ムジブル・ラーマン農業大学 教授 (Professor, Bangabandhu Sheikh Mujibur Rahman Agricultural University)2022年7月北海道大学アンバサダー就任海を超えて織りなす北海道大学の絆今号では、バングラデシュにおいて北海道大学アンバサダーとして活躍するMd トファザル イスラム氏と、ドイツにおいて北海道大学パートナーとして活躍するベリングラート木村 園子 ドロテア氏からの寄稿を紹介します。BBangladesh//GGermanyld

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