litterae_vol.71
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がったことは記憶に新しい。型との組み合わせも含めて144通りのウイルス株(約4700株)と遺伝子のライブラリーを構築している。また、COVID-19に関して本学は、同研究所に加え医学研究院、工学研究院などさまざまな組織で画期的な検査法やウイルス検出法、治療薬の開発などを推進。塩野義製薬株式会社との共同研究が、国内初の新型コロナ治療薬「ゾコーバ■」の開発につな 「北大が有する知見や技術の先進性・優位性と、それらを確実に社会実装してきた実績が採択の決め手となったことは間違いなく、国産ワクチン開発に寄与することへの期待も大きいと感じています」IVReDの組織体制は、拠点長・副拠点長(2名)の下、「ワクチン開発部門」「生体応答解析部門」「臨床開発部門」「研究支援部門」の4部門で構成されている。各部門のメンバーには世界トップレベルの研究者が所属し、多様な研究領域が広がっている。研究内容は、インフルエンザ・コロナウイルス感染症・結核の3つを中心に、病原体ライブラリーの整備・拡充、ワクチン開発につながる基礎研究を推進。平時から、人類に悪影響を及ぼしそうな病原体を分離・同定し、病原性・伝播性を解析することによってワクチンを必要とする対象候補を見つけ出し、ワクチンの試作や臨床試験などを行う。パンデミックが起きる以前に予防・診断・治療法を準備しておく「先回り戦略」が目指すゴールだ。パンデミックを未然に防ぐ先回り戦略07  Litterae Populi Vol.71 産業界や国内外の研究機関とも連携。特集 | 応える

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