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ll-Rounder―丸谷ティ、 あるいはリサイクルにしてわるんです。千人が毎日来るとい地域でもそれなりの商圏が形成される仕組みが、我々の特徴だと思います。SDGsへの取り組みについては、いつ頃から意識されて、どのように取り組まれたのかを、ぜひ教えてください。SDGsやサステイナビリも、自分たちの企業活動から生み出すべきだと思うんです。捨てるものを減らし、活用することでサステイナビリティに繋がります。例えば、ゆで卵を作る際に5%くらい崩れたものが出る。それをタルタルソースやサンドイッチに活用してロスを減らし、価格を抑えて提供できる。ホットシェフで出る廃食油をバイオディーゼル燃料として再利用する。価値を付加するのではなく、原価の削減努力をしつつ、再生産に必要な利潤は確保する。これを付加価値の反対語として「削減価値」と呼んでいます。私の造語ですが、コストを見直し、お客様の負担を削減しつつ、収益(価値)は残す。高齢化の進展により社会保障収入だけで生活する人たちが増える中で、非常に重要なことだと考えています。「AAPANの番組で、コンビニエンスストアの従業員が主人公のました。誰でもできる仕事ではな   く、コミュニケーションや在庫管理、トイレ掃除など多岐にわたります。私も驚いたのですが、留学生の間ではコンビニで働くことが一つのステータスとされているそうです。語学能力なども求められる中、そのような人材を育成するのは大変なことです。これを知ってから、コンビニエンスストアの方を見る目が変わりました。会社は人で成り立つと思いますが、人材育成の考え方についてお聞かせください。に接客や接遇の研修を行います。「フェニックスアカデミー」という組織で、米国の手法を取り入れた教育トレーニングを行っています。日本でパート・アルバイトに対してもこのような研修を行う企業は少ないと思います。例えば、来店した時に荷物をカウンターから飛び出して扉を開けるなど、そういう行動から感謝の声が寄せられます。現場の人は最近、NHKワールドJ」という作品を見新しいスタッフには、全員北海道のあらゆる地域に、マーケットを形成するポテンシャルがあると思います。人材育成と3次元マーケット 総長が訊く寳金丸谷寳金丸谷Litterae Populi Vol.72  14MARUTANI Tomoyasu 持っていて扉が開けづらい場合、1954年、北海道出身。慶應義塾大学法学部卒業。1979年に株式会社北海道拓殖銀行入行。その後、1998年にシティバンク、エヌ・エイにて、顧客・人材開発本部本部長などを歴任。2007年に株式会社セイコーマート(現 株式会社セコマ)に入社し、同年に専務取締役、2008年に取締役副社長、2009年に代表取締役社長に就任。2020年4月から現職。36万5千人ですから、人口の少な株式会社セコマ 代表取締役会長丸谷 智保

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