litterae_vol.72
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母校のための活動に加えて私の19  Litterae Populi Vol.72キャリアをさらに高める機会として、北海道大学パートナーに就任できたことを大変光栄に思っています。2016年にはザンビア大学で北大同窓会が発足し、私は幹事に就任しました。現在は、ザンビアやナミビア大学(UNAM)で活動しています。パートナーとして、私は自分の専門分野で北大を積極的に広め、学生のやる気を引き出してきました。札幌を訪れるたびに、教え子たちが北大で学んでいる姿を見るのは大きな喜びです。また、ザンビアでの同窓会立ち上げの際、北大の寺尾宏明副学長(当時)が訪問されたことはとても印象に残っています。私たちの活動が重要視されていると実感しました。10年以上前に北大の博士課程を修了して以来、私は北大獣医学研究院の毒性学教室と共同でザンビアでの鉛中毒の研究を続けてきました。この研究は、2016年〜2022年の共同研究プロジェクト「Kabwe Mine Pollution Amelioration Initiative(KAMPAI)」の発足につながり、私はプロジェクトのチームリーダーとして研究活動をまとめました。また、ナミビアでは、北大とUNAMの環境毒性学における共同研究を主導し、2022年にはUNAM獣医学部と北大獣医学研究院との部局間交流協定の締結が実現しました。さらに、南部アフリカ地域では、北大がザンビア、ジンバブエ、ナミビア、ボツワナの各大学と共同で、鉱山関連の環境汚染がOne Healthに与える影響を解明するプロジェクト「ZAZINAMBO」を進めていて、私は地域コーディネーターとして、2022年に北大の研究者と共にこの地域を訪れ、プログラムの拡大を促進しました。このような様々な活動を通じて、パートナーとしての役割を果たしてきました。北大卒業生であることに加え、北大との継続的な共同研究が私の研究キャリアにさらなる飛躍をもたらし、鉛中毒に関する世界トップクラスの医学専門家の間でも認められています。私は、一貫してアフリカでの研究教育を推進している北大の取り組みに感銘を受けています。ザンビアでの北大の評判は、ルサカに北大オフィスが設置されたことや、世界で優秀な成績を収めている北大卒業生の多さから確固たるものとなっています。一方、ナミビアやボツワナなどでは北大はまだ知られていないので、北大と1.2017年 ザンビア、カブウェでのKAMPAIプロジェクトメンバー2.2022年 ZAZINAMBOプロジェクトで北大の研究者とともにボツワナの鉱山地下約1kmへ3. 札幌国際スキー場で北大のスタッフや学生仲間と4. 2023年 ナミビア最高峰の砂丘であるDune 7の頂上で北大のスタッフ、学生とUNAMの協定やZAZINAMBOプロジェクトを通じて、私は北大の知名度向上に努めています。学生時代は、北大の充実した学習環境の恩恵を受けながらレジャーも楽しみました。アフリカの留学生であった私がすぐにスキーを習得し、毎年スキー場で楽しんでいたことは驚きでした。また、日本の城にも興味を持ち、二条城、金閣寺、大阪城、熊本城、松山城を巡りました。北大祭は、世界中の料理を一度に味わうことができる素晴らしいイベントでした。ナミビアの首都ウィントフックに来て3年になりますが、長い冬に雪が積もる札幌とは異なり、砂漠地帯で乾燥しています。この原稿を書いている今、私は招聘講師として北大に来ているのですが、北海道の厳しい寒さの中で過ごしながら、暖かいウィントフックのことを思い描いたりもします。新型コロナウイルス感染症の流行も落ち着いてきたので、北大の皆さんには、ルサカやウィントフックをはじめとする見知らぬ新しい土地で視野を広げることを是非おすすめします。1234  ジョン ヤベ(John Yabe)氏ナミビア大学獣医学部 上級講師 (Senior Lecturer, School of Veterinary Medicine, University of Namibia)2017年2月北海道大学パートナー就任アンバサダー・パートナー通信

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