2023年9月、札幌キャンパスにある歴史的建造物「旧昆虫学及養蚕学教室」が保存改修され、「ワイン教育研究センター」として生まれ変わった。温暖化の影響で北海道でも栽培可能なブドウ品種が増えていることもあり、北海道のワイナリー数は増加の一途をたどっている。2022年4月には、北海道が産学官金で世界に通用するワインの産地を目指す構想「北海道ワインバレー」を発表し、ワイン産地として更なる飛躍への挑戦が始まった。ワイン教育研究センターは、その構想の要として活躍が期待されている。建物には3つのスペースがあションホールは、ワイン関連のセる。中央部にあるギャラリースペースの天井は、1901年建築当時の梁がそのまま見える形で補修され、天井の合板と床材には北大の研究林の木材を使用。2024年春、ワインの試飲が楽しめるスペースとして一般開放される予定だ。透かし彫りが印象的なシャンデリアベースが復元されたプロモーミナーなどを行う場として活用されている。研究施設であるイノベーションラボでは、ワインづくりに関わる土壌や微生物などに関する研究を行うほか、生産者もサポート。ラボに設置された分析機器では、微量の果汁などから糖度や酸度など多くの数値をごく短時間で算出することができ、自力での分析が難歴史的建造物をワイン教育研究の拠点として再生札幌キャンパス内エルムの森に開所した「ワイン教育研究センター」。ワインの研究や人材育成の拠点として、世界を目指す北海道ワイン産業の発展を支えていく。第一章 ワインLitterae Populi Vol.72 04ワイン庫には、50以上の道内ワイナリーのワインが並ぶ。いかに北海道のワインに多様性が出てきているかがうかがえる。
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