litterae_vol.73
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ロットが1番上に見られているよ備」と呼ばれる分野で、AI(人工知能)の導入によって劇的に変化した部分です。とはいえ、ベテランの経験や勘も欠かせません。者を中心とした組織構造があり、その構造から脱却するのに苦労しています。航空業界ではパイうな気がしますが、会長のように整備部門からトップに立たれるのは、業界内では異例のことな私がいた医療業界では医なってきて、航空会社の経営におのでしょうか。航空会社は管理系と現場系に分かれ、かつてのマネジメントは管理系の人が「会社の経営をどうするか」という視点で取り組んできました。今はその境界がなくいて一番の要素は「安全」ですから、現場系が持つ安全に対する知見や信念を、経営に生かすことが求められている気がします。会長が社長をされていた時期は、まさにパンデミックの真っ      も   ただ中で、航空会社にとって非常に多難であったと思います。今振り返られて、いかがですか。ない時期がしばらくあって、本当に生きた心地がしませんでした。ただ、必ずどこかでコロナは終息するから、なんとかそこまで耐えられればと。そのためには、自分たちの持っている資源や資産をいかに温存するかに心を砕きました。まで大きなピンチを経験していまほぼ売り上げの私は大学経営の中で、これ立っていない感覚になったようでせん。状況が不安になると人の気持ちも荒れますよね。その中で、会社の代表を務めることは、とても大変だっただろうと想像します。飛行機を飛ばせないわけですから、仕事がないんですよ。社員に聞くと、自分が世の中の役にす。初めて2千人以上の社員を出向に出しました。その先々で高い評価をいただいて、「自分たちも役に立っている」と感じてもらえたことは、非常に良かったと思います。本当にみんなよくやってくれました。人材が生命線ですものね。また、航空会社はパンデミックと同時にゼロカーボンという大きな流れに直面されました。2050年に向けて、非常に目標の高い(スコープ3)といって、飛行機に乗ることで間接的にチャレンジだと思います。我々Scope3ニュートラルは実現しないので、CO2を排出してしまう意識があります。これらに対するお考えをお聞かせください。は大きな課題としてとらえられています。航空業界で排出されるCO2は全体の2%。この50分の1という数字は非常に大きいと思います。早急にSAF(持続可能な航空燃料)の製造に取り組まなければ、日本の航空会社の姿勢が問われます。ありとあらゆることを積み上げないとカーボン社長になってからは、林業や各メーカーなど様々な分野の人たちと相談を重ねました。療業界でいうと、例えば内視鏡用の器具の素材は、多くのCO2を排出して作られます。航空業界が全体の2%なら、医療業界は4%。ゼロカーボン活動は医療業界にもカーボンニュートラルの話とても参考になります。医カーボンニュートラルへの取り組み寳金赤坂寳金赤坂寳金赤坂寳金赤坂寳金13  Litterae Populi Vol.73「安全」が航空業界の根幹ですから、整備の仕事はまさにその最前線だと思います。―寳金

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