litterae_vol.73
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北海道大学パートナー就任のお19  Litterae Populi Vol.73話をいただいた時、大学の価値を高めるための重要な役割だと考え、大変光栄に思い、熱意がこみ上げてきました。北海道大学は、持続可能な社会への貢献や国際的な連携を重視し、革新的な教育方法や技術を積極的に取り入れて研究を推進しています。スウェーデンでもカロリンスカ研究所や大学との連携、日本学術振興会(JSPS)や国際コンソーシアムMIRAIを通じた交流により、高い評価を得ています。私は今後も、北海道大学とカロリンスカ研究所の連携を通じて、両機関の教育研究の質を高めていきたいと考えています。私は、高度な解析手法と統合的な数理モデリングアプローチを用いて、細胞レベルで重要な生物学的機能が生じる生化学的経路において、分子がどのように統合されているのかを研究しています。2007年から金城政孝名誉教授(2022年3月まで先端生命科学研究院教授)と共同研究を開始し、2016年からはHokkaidoサマー・インスティテュート(HSI)にも招へい講師として参加しています。3つの講義を担当し、毎年新しい学生との出会いを楽しみにしています。学生たちが自ら収集したデータの解析に取り組む姿を思い出すと笑顔がこぼれてしまいます。私にとって学生との交流はとてもやりがいのあるものです。学生たちは新鮮な視点や好奇心、エネルギーを学問の場にもたらし、それが私自身の指導力にも磨きをかけ、より効果的で楽しいものにする意欲を高めてくれるからです。私の努力が学生の成長と成功に役立っているということが、大きな喜びと達成感をもたらしてくれます。北海道大学を卒業し、現在カロリンスカ研究所で助教を務める大浅翔さんは教え子の一人です。彼は生きた細胞における分子メカニズムとその特性の評価法に関して、身につけた知識と鋭い分析で学術界に多大な貢献をしていて、最近はHSIの講義で若い世代に還元しています。彼の卓越した研究や指導は私にとって大きな誇りであり、北海道大学とのパートナーシップの価値を際立たせるものです。1.HSIの受講生がデータを解析している様子2.山々が連なる北海道の田園風景3. 自然と伝統建築が融合した札幌の癒しスポット4. 豊かな札幌の食文化を象徴する新鮮な海の幸私が暮らすストックホルムは14の島々からなり、水路が縦横に走っていることから「北欧のベニス」と呼ばれています。王宮や博物館などの歴史的建造物、中世の旧市街ガムラスタンなどが有名です。一方で札幌は近代建築と伝統的な日本建築が混在しています。また、1年中新鮮な魚介類が豊富に食べられるのが魅力です。どちらも冬は寒く雪がよく降ることや、有名な大学や研究機関があり、高い生活水準を実現するために教育と技術革新に力を入れている点が共通しています。私は、教育研究やイノベーション、卓越性、国際的な連携に対する北海道大学の姿勢に常に刺激を受けています。私たちは共に知識を深めるだけでなく、国境や文化を超える架け橋を築いていると思います。北海道大学のみなさん、あらゆるチャンスを活かして前進し続け、探求心と協力の精神を育み続けてください。一緒により明るく、強い絆で結ばれた未来を築いていきましょう。1234  ヴラダナ ヴコイェヴィッ(Vladana Vukojevic)氏カロリンスカ研究所 准教授 (Associate Professor of Biochemistry, Karolinska Institute)2017年2月北海道大学パートナー就任アンバサダー・パートナー通信

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